間違えると最悪車両火災の原因に! クルマのヒューズが切れたら「同色=同数値」のものに交換が必須!!
万が一の車両火災を防ぐ小さくてカラフルなパーツ
1台当たり50~60個も使用されているという自動車用のヒューズ。 ヒューズ(fuse)とは、「融合させる」「溶解させる」という意味で、ヒューズの定格を越えた電流が流れると可溶部が溶け、電流を遮断する仕組みになっている。つまり、過電流が発生したときにヒューズが切れることで、バッテリーから電流が流れ続けることを防ぎ、回路の配線が焼き切れたり、その先の機器が壊れたりするトラブルから守り、最悪ともいえる火災の発生を防いだりする大きな役割を担ってくれているというわけだ。 【画像】エンジンルームや運転席の前方下側にあるヒューズボックスの中身の画像を見る そうしたヒューズのほとんどは、エンジンルームもしくは運転席の前方下側にあるヒューズボックスに納められている。 このヒューズボックスを開いてみるとわかるが、ヒューズの頭部には「10・15・20」といった数字が書かれているはず。 この数字こそ、ヒューズの定格のアンペア数。ヒューズはショートでもしない限り切れることはなく、溶断(切れる・飛ぶ)しない限り交換の必要はないが、もしもヒューズが切れた場合は、必ず同形状・同アンペアのヒューズに交換することが肝要だ。
アンペア数ごとにヒューズ本体の色が設定されている
もしも、もともとついていたヒューズよりも小さなアンペア数のものに交換すると、トラブルがないのにヒューズが切れることがあるし、逆に規定より大きなアンペアのヒューズを勝手に入れると、異常な電流が流れて、配線や機器が過熱したり、最悪車両火災の原因にもなってしまう! このようにヒューズはそのアンペアの数字が非常に重要なので、間違えることがないよう、アンペアごとにヒューズ本体の色分けがなされている。 その内訳は下記のとおり。 黒色:定格電流 1A 灰色:定格電流 2A 紫色:定格電流 3A ピンク:定格電流 4A 黄褐色:定格電流 5A 茶色:定格電流 7.5A 赤色:定格電流 10A 青色:定格電流 15A 黄色:定格電流 20A 透明:定格電流 25A 緑色:定格電流 30A オレンジ:定格電流 40A 赤色:定格電流 50A 青色:定格電流 60A 黄褐色:定格電流 70A 透明:定格電流 80A あまりに種類が多くて戸惑ってしまうかもしれないが、クルマ用の定番ヒューズは、赤(定格電流 10A)、青(定格電流 15A)、黄色(定格電流 20A)の3色。あとは茶色(定格電流 7.5A)を覚えておけばほぼ大丈夫。 形状は昔ながらの「平型ヒューズ」を筆頭に、平型ヒューズを小型化した「ミニ平型ヒューズ」、そして最近主流になってきたよりコンパクトな「低背ヒューズ」の3タイプ。アクセサリーソケット(シガーソケット)に差し込む電源プラグなどには、ガラス管タイプのヒューズなども使われている。 前述のとおり、ヒューズが切れた場合は、同形状・同アンペアのヒューズに交換すればOKだが、基本的にショートしたりして過電流が流れない限り、ヒューズは切れない。したがって、もしもヒューズが切れた場合、その原因を調べることも大事。 ヒューズを交換しても、またすぐに同じヒューズが切れるようなら、電装関係に詳しいプロに点検を依頼しよう。
藤田竜太