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AIは仕事を奪わない 人間の感性が新たな価値を生む

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NIKKEI STYLE

『人工知能が変える仕事の未来[新版]』

人工知能(AI)は私たちの働き方にどのような影響を与えるのだろうか。今回紹介する『人工知能が変える仕事の未来[新版]』は、開発・研究の第一線で活躍している専門家が一般のビジネスパーソン向けに書いた解説書。「近い将来、自分の仕事はAIに奪われるのではないか」といった不安を感じている読者に一読をお勧めしたい。AIには何ができて何ができないのか、をきちんと理解すれば先端技術を自分の暮らしや仕事に生かす発想が芽生えてくるはずだ。

◇   ◇   ◇ 著者の野村直之氏はAI技術開発を手がけるメタデータ(東京・文京)の社長です。理学博士で、東京大学大学院医学系研究科研究員でもあります。1962年生まれで、1984年に東京大学工学部卒。NEC C&C研究所、ジャストシステム、法政大学、リコー勤務を経て、メタデータを創業。この間、米マサチューセッツ工科大学(MIT)人工知能研究所客員研究員も務めました。

第3次AIブームの到来

情報通信白書によると、はじめてAIへの社会的関心が高まったのは1950年代半ばです。人工知能という研究分野を確立したダートマス会議が開かれたのは1956年でした。第2次ブームが訪れたのは1980年代です。当時、日本では政府による「第5世代コンピュータ」と名付けられた大型プロジェクトが推進されました。著者はこの時代から世界の最先端研究の現場に身を置いています。1990年代にMITの人工知能研究所で人工知能の父と言われるマービン・ミンスキー氏や自然科学としての言語学を創始したノーム・チョムスキー氏らの薫陶を受けました。その後、再び「冬の時代」を迎えますが、00年代になると今に続く第3次ブームを迎えます。コンピューターの性能向上などを背景に、ディープラーニング(深層学習)といった新しい枠組みが登場してきました。 本書の記述内容は専門的な部分もありますが、決して難しいことはありません。数式もソフトウエアのソースコードもまったく登場しないので、文系の読者も安心して手に取れると思います。AIを各産業に応用することの意味を考え、その普及が社会と人間の役割をどう変えていくのかを考察するのが本書の狙いの一つです。

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