初めての人でも難しくない! 年末年始にちょこっと学べる「哲学入門書」7選
「哲学ってなんだか難しそう」……。これまで哲学本を手に取ることに二の足を踏んでいた人にも、哲学のエッセンスを楽しく学べる7冊をご紹介。ちょこっと読むだけでも、哲学のおもしろさにきっと気づくはず。 【この記事の画像を見る】 ■まずは基礎知識から。哲学の世界への扉を開いて プラトンにとって、人間の魂は理性・意思・欲望の3つからなります。 『哲学用語図鑑』 田中正人・著 斎藤哲也・編集・監修 西洋哲学の歴史がどのように変化して現代に至ったのかを大まかに理解できる。哲学者のプロフィールから思考法、用語まで図解を交えてわかりやすく解説したベストセラー。●1800円/プレジデント社 哲学がはじまるのは、まさにここからだ。問い直すべき常識を知らなければ「哲学」などできない。 『哲学の世界へようこそ。』 岡本裕一朗・著 答えのない現代、身近な8つの物事や事象を課題に、それらを取り巻く「常識」は、本当に常識なのか──。4ステップで考え抜く力を養える、Amazon哲学書部門ベストセラーの一冊。●1500円/ポプラ社
▼岡本先生推薦! ■初心者にも読みやすい! 哲学者の思考に触れる古典~近代の名著5 疑いをさしはさみうるものについて、私は徹底的に疑うことにしよう。 『省察』 ルネ・デカルト・著 山田弘明・訳 「デカルト自身が自分を問い直していくスリリングさ。哲学のおもしろさを知るにはよい一冊」。哲学に触れる第一歩として最適な古典哲学書の新訳版。わかりやすい解説付き。●1000円/ちくま学芸文庫 人間は誰でも必ず、善きものを欲求するものだとは思えないのかね? いいえ、そうは思いません。 『メノン』 プラトン・著 藤沢令夫・訳 「議論の前提を問い直し切り崩す、本当のディベート法がわかります」。哲人政治家の教育を追求したプラトンによる初期の対話編。ソクラテスと弟子メノンとのやりとりから議論を学ぶ短編。●640円/岩波文庫 あたかも正義は根本において一被害感情の一発展であるにすぎないかの如く――。 『道徳の系譜』 ニーチェ・著 木場深定・訳 「会社、友人関係……読めば、なぜ彼らが嫉妬や非難をするのか、ふに落ちるはず」。ニーチェ自身も自分の思想世界に入るための理論的な道筋を立てるのに役立つと推薦。●840円/岩波文庫 我々は人と人の間柄において、感じ方をどう学ぶのであろうか。 『風土 人間学的考察』 和辻哲郎・著 「哲学の基本として、各民族の発想と思考法の違いを知るうえで役立ちます」。風土とは人間の精神構造に刻まれた自己了解の仕方であるという観点で、民族・文化・社会の特質を考察。●1010円/岩波文庫 むなしさ 恋愛の原因と結果。クレオパトラ。 『パンセ』 パスカル・著 塩川徹也・訳 「ちょっとした有名な話などが単文かつわかりやすい言葉で記され、前提知識がなくても、どこからでも読めるのがポイント」。“人間は考える葦(あし)”などの有名フレーズが満載。●1200円〈上〉、1500円〈中〉、1260円〈下〉/岩波文庫 ※表示価格はすべて税抜きです。 ---------- 岡本裕一朗(おかもと・ゆういちろう) 哲学者 玉川大学名誉教授。専門は近現代思想だが興味関心は広く、哲学とテクノロジーの領域を横断的に研究している。著書に『哲学の世界へようこそ。』(ポプラ社)、『いま世界の哲学者が考えていること』(ダイヤモンド社)ほか多数、共著に『ヘーゲル入門』(河出書房新社)など。 ----------
プレジデントウーマン編集部 戌亥 真美 撮影=小林久井(近藤スタジオ)