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【コラム】新型コロナ危機からの回復、始まる前から暗雲-モス

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Bloomberg

(ブルームバーグ): 新型コロナウイルスによる打撃からの回復は、始まる前から暗雲が立ち込めている。アジア各国・地域ではロックダウン(都市封鎖)措置が迅速に取られたが、その解除のプロセスは遅く、まだら模様となりそうだ。それはアジア地域のうわべだけの正常化でさえ、何年とはいかずとも数カ月は先になることを意味する。

オーストラリア、シンガポール、タイの全面的・部分的な再開計画は、理論的には合理的に聞こえるが、期待されていた景気回復はもたらさないだろう。これらの国は貿易と観光に深く依存しているが、外部との接触がほぼ閉ざされたままとなっている。国内の消費者はレイオフや賃金カットに苦しんでおり、失われた外需を補うには力不足だ。シンガポールの倒産件数は、ウイルス対策が最も厳しくなる前から増加していた。

オーストラリアでは社会的交流や事業を再開できる。しかし、外国人観光客と移民の流入は失われた。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)に先立つ28年間の好景気を牽引したのは、海外からの労働者だった。

政治家は、国内支出で穴を埋められると語る。オーストラリア人は家の近くで休暇を過ごすことになり、モルディブに行く代わりにクイーンズランドのリゾートで楽しむこともできるだろう。しかし、同国の国内航空券は比較的高額だ(主要航空会社2社のうち1社が破綻したばかり)。オーストラリア準備銀行(中央銀行)によると、失業率は遠からず10%に達するとみられる。そうした中では、いかなる散財も軽率に映る。一度失われた雇用はそう簡単には元に戻らない。

シンガポールでは、観光業や宿泊業、コンベンションなどの中核的な経済セクターが再開するのは最後になりそうだ。2カ月に及ぶロックダウンを続けていた同国政府は19日、段階的な再開を発表した。6月2日以降、学校は徐々に生徒を受け入れ、人が集まらない多くの事業も再開できる。ただ、大規模な企業の集まりやスポーツ・文化イベントの再開はまだ先だ。一部の活動はワクチンが開発されるか、新型コロナ感染症がリスクと見なされなくなるまで再開は棚上げとなるだろう。

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