眠ったままの私たちの700億円はどこに行くのか? 「休眠預金」活用への期待と課題(上)
「制度づくりだけが急ピッチで進められている」
神戸市を拠点に民間助成を担ってきた公益財団法人「ひょうごコミュニティ財団」代表理事の実吉威さんは、「現場視点で休眠預金を考える会」のメンバーとして、この間の動きをチェックしてきました。しかし、「国民の私財が原資であるのに国民的な理解が得られたとも言えない。NPO法人や市民活動団体も制度の内容をよく理解できないまま、制度づくりだけが急ピッチで進められている印象だ」と危惧の念を抱いています。 次回は、公益活動に取り組む現場の声とともに、休眠預金の活用をめぐる課題を検証します。 (石黒好美/Newdra) <プロフィール> 石黒好美/1979年、岐阜県生まれ。岐阜大学地域科学部卒。印刷会社、IT関連会社勤務の後、障害者・生活困窮者の相談支援などに携わる。日本福祉大学福祉経営学部(通信教育部)を経て社会福祉士に。現在は主にNPO、CSR、福祉、医療などの分野で執筆。名古屋の取材・報道チーム「Newdra」メンバー。