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広島・大盛穂は“練習の虫” 学生時代は黙々とバットを振る日々【プロ野球2020年 躍進若手の正体】

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日刊ゲンダイDIGITAL

【プロ野球2020年 躍進若手の正体】  大盛穂(広島・外野手・2年目・24歳)  ◇  ◇  ◇ 「野球部は恋愛禁止。さらに体育コースなので3年間クラスに女子はいませんでした。僕なんかは入学当初『え?』と衝撃を受けたほど。だけど、大盛はひたすら練習に没頭していました」  そう語るのは高校3年間で同じクラス、高校、大学の野球部で共に汗を流した木根凌太さんだ。  大盛は大阪府大阪市で生まれ、小学1年から野球を始めた。中学では守口シニアに所属し、同チームの監督の紹介で静岡県の飛龍高へ進学。仲間から見ても練習熱心なこの男を、当時、同校で監督を務めていた濱野洋氏は鮮明に覚えている。 ■本塁打でもガッツポーズなどせず淡々と 「ホームランを打ってもガッツポーズなどせず、淡々としていた。寡黙で昭和気質な選手でした。ただ、内に秘めたものは非常に強い。練習の虫で、バットを振る回数がハンパじゃなかった。昼休みだけではなく、授業の合間の10分休みでも取り組んでいたんです。あるとき『1週間で5000回』と部員にノルマを課したら、大盛はそれを“1日”でやってのけた。『聞き間違えてしまった』と言っていたけど、『1日5000回』っておかしいじゃないですか。それなのに大盛は言われたことだからと、当たり前のように受け入れる。ノルマがなくても毎日1000本以上は素振りをしていました」  甲子園出場は果たせなかったものの、進学先の静岡産業大ではアルバイトで生活費や学費を稼ぎつつ、白球を追いかけた。 「一人暮らしをする大盛の家によく遊びに行きました。狭い部屋でしたが、大盛らしくキチンと片付いていましたよ(笑い)。ただ、特にすることもなく部屋でダラダラしていると『ちょっと振ってくるわ』と僕を残して素振りに行ってしまう。『筋トレしよう』と、トレーニングに付き合わされることもあった。そんな日はプロテインをせびりましたが、嫌な顔せずに分けてくれました(笑い)」(木根さん)  大盛は練習熱心なだけでなく、ノリも良かったという。木根さんはこう続ける。 「お酒は強くなくて飲み会では真っ先に眠ってしまうのですが、『今日は俺が一番飲むわ』と宣言して場を盛り上げることもあった。ちなみに酔った時の口癖は『カラオケ行こう』。彼はバラード系や米津玄師、はやりの曲を歌いますが、これがすごく上手なんです。上手といえばボウリングもかなりの腕前。21時ごろから早朝までの投げ放題にもよく行きました。スコアは毎回200を超えますし、250とかもあったかな。基本、なんでも器用にできるヤツです」 ■「俺は勝ちてえんだ!」と声を荒げ  静岡産業大では1年時から外野手としてレギュラーを獲得。キャプテンを務めた4年時は春と秋でベストナインに選ばれた。同年秋に広島から育成1位として同大初のドラフト指名を受けて入団。大盛の活躍を間近で見守ってきた同大野球部の萩原輝久監督はこう語る。 「口数は少なく、自分が率先して態度で示していくキャプテンでした。ですが、4年の春シーズン前のオープン戦で、東京の強豪校に大敗した時のことです。チームから悔しさや危機感が感じられなく、これはマズイと大盛にミーティングを任せました。すると、それまで見せたこともない形相で『俺は勝ちてえんだ!』と声を荒らげてメンバーに活を入れた。驚きましたよ。これほどに強い思いがあったんだと。だから誰よりも熱心に練習をしていたんですね。そういえば、昨オフに会ったら『広島の練習はキツイ』と言っていましたが、生き生きとしていましたよ。気質はチームに合っているようです」  昨季は二軍戦でチーム最多の109試合に出場し、オフに支配下登録された。今季は7月下旬から代打要員として一軍デビュー。9月3日の中日戦で「1番・中堅」で初スタメンに選ばれた。28日現在、44試合に出場して75打数25安打、打率・333。 「練習の虫」が大きく羽ばたいている。 ▽おおもり・みのる 1996年8月31日、大阪府大阪市出身。身長180センチ、71キロ。ボウリングでは、ガーター間際から鋭くえぐるカーブボールを武器にストライクを量産。調子の良い日のスコアは250を超える。年俸500万円。

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