ロッテ京大君が3回KO。今後は中継ぎで再出発!
伊東監督は「今日で終わりじゃないし、いいボールもあった」と言った。 片鱗はあった。二回には、制球力とテンポを意識、軸となるボールをスライダーにすることで立ち直りを見せた。先頭の金子を四球で歩かせて二盗を許したが、秋山にはカウント3-2からキャッチャーのサインに首をふってスライダーを選び、ショートフライに打ち取っている。続く栗山、浅村のバットの芯も外した。ストレートの平均は、145キロ前後あるのだから、ストライクを先行させ、ここに安定感のある変化球のキレと、せめて6分の1に投げ分けることのできる制球力がついてくれば初勝利を手にする日も遠くないだろう。 伊東監督は、今後の起用法について問われ「1、2回で判断するのは可哀想。もっと経験がいるだろうし、数多くのチャンスを与えてあげたいし、明日はベンチに入れる。しばらく(中継ぎで)様子を見ていくが、次に今日できなかったことをどう活かすか。(中継ぎでも)今日の内容では、先発は難しいかもしれないが」と答えた。2軍落ちではなく、中継ぎでの再出発させる方向を決めた。 さっそく明日の西武戦から中継ぎスタンバイすることになるが、田中も「明日からの中継ぎ?それは大丈夫です。しっかりと反省をして、自信をもって自分のボールを投げられるように調整していきたい」と、ポジティブに受け止めた。 昨秋、京大で彼をインタビューさせてもらったとき、こんな話をしたことを覚えている。現役で京大に合格。そして夢のプロの世界へ。「挫折を知らないあなたがプロの世界で生きていけますか?」と聞いたとき、「親にも言われるんです。おまえは挫折を知らないって。でも僕なりに挫折はあった。そんなに弱くないですよ」と前を向いて答えた。彼なら初先発黒星という小さな挫折を未来への希望に変えてくれそうである。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)