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シリア難民の生活は新型コロナでどう変わった? トルコ現地レポート

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Forbes JAPAN

世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。2020年の半分が過ぎようとする6月下旬現在も、その勢いはとどまるところを知らない。 筆者が暮らすトルコのガジアンテプ県はシリア北部に接し、350万人を超えるシリア難民が暮らしている。難民が暮らす場所といえば難民キャンプを思い浮かべる人も多いかもしれないが、トルコでは難民キャンプに住む人口はおよそ2%のみで、残りの98%はトルコ政府による「一時保護」制度のもと、市街地や郊外に居を構える。大都市イスタンブール県の他、シリア国境に近い南東部は特に受け入れ数が多く、ガジアンテプ県では人口の5人に1人が難民だ。 これほどの難民を受け入れているトルコ政府は国際的に見ても「寛大だ」と言える。しかし、シリア人がトルコに来て労働許可や市民権を得るには数カ月から時には数年がかかるうえ、それらを得ても、元々就職率の低いトルコではシリア人の就職の機会は限られる。低賃金の仕事や、日雇いの給与で食いつないでいる世帯も多い。2018年の調査によると、都市部で暮らす難民の64%が貧困状態にある。貧困問題は栄養状態に直結し、5歳以下の子どもの4人に一人は栄養不足という。 医療へのアクセスの問題も深刻だ。シリア人には医療が基本無償で提供される。しかし実際には言葉の違いや不安定な法的身分、情報不足、病院までの交通費が払えないなどの理由から、都市部では23%、地方では58%もの難民が、コロナ前から医療にアクセスできていない。 トルコの新型コロナウイルス陽性者数は、6月15日までに約18万人にのぼった。日本で確認されているケースの10倍も多い。トルコ保健省によれば4800人以上が新型コロナで亡くなった。5月末のシェケル・バイラム(イスラム断食月明けの祝日)までは外出禁止が続いていたが、6月に入り徐々に制限が緩和されてきた。 新型コロナウイルスの感染拡大は、トルコ市街地で生活するシリア難民には、どのような影響があったのだろうか。6月20日の世界難民の日に寄せて、トルコ南東部で妻と子どもたちと暮らすシリア人、アハメッドさん(仮名)に話を聞いた。 ※本人とご家族の安全のため、仮名を使用しています。

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