大正時代から繋がる「ダットサン」が消滅の危機! 懐かしのクルマを振り返る
日産の前身「ダットサン」は誕生から90年を迎える
日産自動車の新興国向けサブブランド「DATSUN」が廃止されるという報道があった。とはいえ、DATSUNは最近生まれたブランドではない。かつて日産自動車の主力ブランドとして知られていたこともある。 【画像】ダットサントラックのフロントスタイリング! そのルーツは大正時代まで遡る。1914年に「DAT号」というモデルが生まれたのだ。その製造会社は快進社(後のダット自動車製造)で、DATというのは関係した3人の頭文字と、脱兎という元気をイメージさせる言葉の響きをかけて生まれたという。その後、紆余曲折あって同社のブランドは『DATSON(ダットソン)』となる。 ダット自動車製造は、鮎川義介率いる一大コンツェルンの傘下となり、ブランド名を『DATSUN(ダットサン)』にあらためる。これが1932年のことだから、非常に歴史あるブランドというわけだ。 ちなみに、鮎川義介がグループ傘下の自動車部門を統合して日産自動車を立ち上げたのが1934年で、ダットサンの商標は日産自動車に引き継がれている。 それ以来、1980年代まで日本国内ではダットサンのブランドは広く使われていた。誰が言ったか「北米ではダットサンではなく“ダッツン“と呼ばれている」というのも広まり、そのブランドは伝説的になっていった。 その象徴といえるのが初代フェアレディZ(S30型)だろう。 直列6気筒エンジンを積んだ流線形のクーペボディは、日本においてスポーツカーはかくあるものだという姿を示したモデルであり、また北米でDATSUNブランドの価値を高めた大ヒット作となった。 このたびモデルチェンジしたRZ34型フェアレディZが、初代S30フェアレディZのヘリテージを色濃く感じさせるスタイリングとなっているのは、1969年に生まれた初代Zのブランド価値が、半世紀以上経ってもまだまだ強く残っていることの証左であり、それだけインパクトのあるモデルだったというわけだ。