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急増する「9人未満の野球部」。家庭の事情、過疎化、伝統校の消えゆく灯…それぞれの危機的現実

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春の選抜高等学校野球大会、夏の全国高等学校野球選手権大会が行われなかった2020年の高校野球。交流試合という形で1試合限定の特別試合が開催されたが、その年の頂点を決めるトーナメントの熱気を求める声も大きく、「甲子園」の不在が改めて甲子園人気を物語る結果になった。視聴率や観客数では盛り上がりを見せ続ける一方、少子化、野球離れによる部員減は深刻だ。部員が9人に満たない野球部の取材を通しての「もう一つの高校野球」の現実を伝える。 (文・写真=広尾晃)

部員3人の高校野球部

関西地方の大都市にある公立高校の野球部は、部員数が3人。いずれも2年生だ。 この高校は甲子園出場経験はないが、かつてはベスト16くらいまでは進出する中堅校だった。しかし生徒数が減少する中で、野球部員数も年々減少している。 かつての盛況を物語るように、この学校の野球部は立派な部室があり、倉庫には古い野球用具がたくさん残されている。しかし学校そのものも、近隣の学校との統合が決まっている。 3人の部員のうち、1人は中学時代に野球経験がある。試合にも出場し、主力選手だったが中学の途中から不登校になり、学校に出ないまま卒業してこの高校に来た。 もう1人は野球経験は全くなかったが、高校に来てから不登校だった子と友人になり、誘われて野球部に入った。まだ山なりのボールしか投げられないが、一生懸命だ。2人は親友で、不登校だった生徒は野球をやりだしてから学校に行くことができるようになった。練習時間は2時間までと決まっているが、2人はそのあとも先生に「帰りなさい」と言われるまで延々と練習をする。ただし、不登校だった生徒はアルバイトはしていないが、もう1人は学費を稼ぐためにアルバイトをしているので、練習できるのは週に3~4回だ。 3人目の子はいわゆる“やんちゃ”で、いろんな問題を起こしてきた。しかし野球だけは好きで、練習に出てくれば楽しそうに体を動かしている。ただいつ練習に参加するかは、彼次第になっている。彼もアルバイトをしている。

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