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オリックス・安達が「お金はもういいです」と言える理由

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デイリースポーツ

 緊急事態宣言の発令を受け、オリックスは4月以来、取材自粛が続いている。選手たちの姿を見るのは球団公式や選手のインスタグラムによるライブくらいとなった。 【写真】「難病とともに生きるトークイベント」で自身の病気について語る安達  その中でよく登場するのが安達了一内野手。T-岡田らとの練習の様子をインスタライブで中継したり、ファンの質問に答えたり、こんな状況の中、ファンサービスに積極的に取り組む姿は頭が下がる思いだ。  こうなる前、こんな話をしていた。  「お金はもういいです。十分もらいましたから」  今季はショートのレギュラーとして起用される方針となっている。“今年は試合に出まくって活躍して年俸上げてもらえよ”、こちらの軽口への答えがこれだった。  「野球をやらせてもらえるだけで十分です。こんな体ですから」  2016年1月に国が難病に指定する潰瘍性大腸炎を発症。完治が望めないという難病と闘いながらプレーを続けている。  「まさか自分がかかるなんて思ってなかった。頭が真っ白になりました。これから野球やっていけるのかなと引退も考えました」  キャンプ期間中に入院。多くのファンからの手紙やメッセージに救われたという。そして考え方を変えた。  「見られる立場なんで自分が頑張ってそれを見て頑張ってもらえれば。活躍しなくちゃいけないプレッシャーはあります。なるべく笑顔で、を心掛けています」  辛いときもあるが、見られていることを常に意識している。弱っているところを見せれば同じ病気と闘っている人たちにも不安を与えてしまう。プロ野球選手であるからこそ、強くあろうと心に決めた。  生活の中で制限がある。生ものは食べないようにしている。牛乳、ヨーグルトなども食べられない。遠征先では時にはチームバスではなく、個人移動を認められている。ナイターから翌日デーゲームの場合には試合前練習を回避することもある。球団の理解もあり、配慮してもらっているが、それでも納得のいくプレーができないときもある。  「歯がゆさとの戦い。腹くくってやるしかない」  発症する前年2015年は11本塁打を放った。“打てる遊撃手”となれば、今ごろFAの行使が注目を集めていただろう。  「野球をやるのが当たり前だと思っていた。今は普通に生活できるのがうれしい」  昨年11月に大阪府豊中市の豊島体育館で『難病とともに生きるトークイベント』に出席。300人の募集に500人の応募があった。  応援してくれるファンがいる。野球をやらせてくれる球団がある。欲は捨てた。感謝の思いをプレーで返したい。1日も早くその日が訪れることを待ち望んでいる。(デイリースポーツ・達野淳司)

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