「家の中は多少だらしなくてもいい」北斗晶が“家事も子育てもルールを作らない”理由
「模範的なお母さん」じゃなくてもいい
――お子さんを生んでから、子育てで悩んだことはありますか? 北斗晶: 私は東京で出産しました。親族は埼玉と九州なので、自分ひとりでの子育てだったわけです。 健介も試合でいないし、手元にあるのは育児書だけでした。その育児書を読むと「赤ちゃんには3時間おきにミルクをあげる」と書いてあるんです。でも、うちの子は3時間おきには起きない。寝てる子を起こして哺乳瓶を口に当てても吸わない。「大丈夫なんだろうか? この子死んじゃうんじゃないだろうか?」と本当に思い詰めてたんです。 でも、あるとき、ふと「こんな小さくても人間なんだよな。私もおなかいっぱいだったら別に食べたくないし、喉も渇いてないのに飲みたくないし。きっとこの子はおなかがすいていないんだろうな。おなかがすいたら泣くだろう」という答えが出たわけです。すると、本当に数時間後におなかがすいて泣くわけです。飲みっぷりもいい。眠たいときは赤ちゃんだって眠たいんですよ。育児書は一つの基準にはなるけど、何もそれに従うことはないということに気づきました。 例えば「粉ミルクじゃなくて母乳をあげろ」と言う人からプレッシャーをかけられて、うつ状態になってしまうお母さんもいますよね。産婦人科でもおっぱいマッサージがあって「おっぱいを出しましょう」と言われる。でも、牛じゃないんだからそんなに出ないって。私もおっぱいが出なかったので粉ミルクで育てたんですよ。でも、うちの子、私よりもデカいじゃないですか(笑)。今の時代は粉ミルクで育ててもいいんですよ。だから、母乳が出ないからって気にすることはないと私は思いますね。 ――男の子2人のお母さんとして、お子さんにはどう接してきたのですか? 北斗晶: 私の育て方って、模範的ではないと思います。例えば、うちの子が友だちとケンカしてきたら、きっと模範的なお母さんなら「どうしてケンカしたの? それはあなたも悪かったんじゃないの? 自分からごめんなさいと言ってみたら?」と言うと思うんです。 でも、うちはそういうふうにしなかったんですよ。息子が「誰々とケンカした」って帰ってきたとき、私は「マジ? あいつ性格悪そうって思ったんだよ~、ふざけやがって」とその子の文句を言ったんですよね。あまりにも私がその子のことを悪く言うもんだから、ケンカしたと言ったことを後悔したのか息子が「でもね、あいつもいいところがあるんだよ。笑うと可愛いんだよ」と言ってきたんです。子どもって面白いね、と思いました。 うちは2人とも男の子なので、大きくなるにつれて私と話してくれなくなるだろうと思っていました。でも、そんな感じで育ててきたので、嫁をもらう前も「今、真剣に付き合いたい人がいる」と話してくれましたし、「将来はこんな仕事に就きたい」とか、そういう話をしてくれますね。