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しっかり届いた「大声援」――企業チームの使命を果たしたJR東日本

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週刊ベースボールONLINE

「涙が出るほど、うれしかった」

 JR東日本は2020年、東京ドームへの「切符」を手にしなければならない理由があった。  都市対抗東京二次予選。JR東日本はNTT東日本との第1代表決定戦(10月5日、大田スタジアム)を3対0で勝利し、11年連続23回目の出場を決めた。  コロナ禍において、勝たなければならなかった会社としての事情――。企業チームとしての使命である「社内の士気高揚」だった。  就任1年目の濱岡武明監督は言う。 「会社と(グラウンドのある)地元・千葉県柏市の理解もあって、粛々と練習してきました。どこの企業もそうだと思いますが、新型コロナウイルスによって業績が厳しくなっている。われわれができることは、野球を通じて、社員に元気と活気を与えること。応援できる場をつくるんだ! と取り組んできました」  今回の予選は「無観客試合」。JR東日本サイドの一塁内野席には選手名の入ったのぼり旗、横断幕がセッティングされていた。鮮やかなスタンド風景も、応援は一切なし。だが、社員からの「大声援」はしっかりと届いていた。  セガサミーとの初戦(9月23日)を前にしたロッカールームでのミーティング。同社の応援団(リーダー、チアリーダー、ブラスバンド)が制作した約5分の応援動画が流された。球場に足を運べないため、メッセージを送ったのである。「涙が出るほど、うれしかったです。選手たちのボルテージは一気に上がりました。応援団をはじめ、社員全員で一緒に戦いました」(鈴木貴弘マネジャー)。本来は応援で着用するはずだったTシャツなどのコスチュームがベンチに掲げられ、JR東日本は全社一丸となって東京ドームを目指したのだ。

創部100年目の節目に

 1920年(大正9年)、東京鉄道局として創部してちょうど100年という記念すべき年でもある。昨年11月末まで15年率いた堀井哲也前監督(現慶大監督)からバトンを継いだ濱岡監督は「責任」を口にした。 「堀井さんがつないできた財産に、泥を塗ることはできない。100年の節目。チーム全員で都市対抗の舞台に立ちたかったので、良かったです。大会本番へ向けてもう一度、しっかりとしたチームをつくっていきます」  グラウンドでプレーする選手だけではなく、スタッフら裏方一人が欠けても野球部は成り立たない。会社組織も同じである。だからこそ、1球に全員が集中するチームスポーツの野球は「社内の士気高揚」に直結するのだ。 文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎

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