嫌いな言葉は「ダウンちゃん」。娘の将来のために、私がどうしても使いたくない呼び方とその理由
授かった3人目の子供は女の子。帝王切開手術で無事に出産を終え、横に置かれた赤ちゃんを見つめてみると、上の子達2人とは明らかに何かが違う――。大きな病院で検査をした結果、赤ちゃんは「ダウン症候群」と告げられます。 ガードナー瑞穂さんは、今回紹介する著書『ダウン症それがどうした!?と思えるママになるための100のステップ~まりいちゃんが教えてくれたこと』の中で、次女のまりいちゃんがダウン症と告知された時のショックを、正直な言葉で吐露しています。 「未来を先走りして考えてはいけないと言われたのに、私は未来を何十年も先走りし、勝手に妄想して、より深く落ち込んで泣いていた。上の2人の子供達に将来迷惑をかけてしまうのではないか? 彼らに重荷を背負わせてしまったのではないか? ダウン症のきょうだいがいることで2人が好きな人と結婚できなくなってしまうのではないか? 赤ちゃんは話すことができるのか? 将来結婚できるのか? 子供を持てるのか? 自立することができるのか? 仕事はできるのか? 私と夫が死んだ後、一人ぼっちになってしまうのではないか?」 一時はパニック状態になったガードナーさん。まりいちゃんのダウン症告知に立ち会った臨床心理士からは、こう忠告されました。 「交通事故と宗教勧誘には気をつけてください」 なぜなら、ガードナーさんは、「人生の中で10年ぐらいかけてなだらかに起こる精神の成長の変化が、この入院中から数カ月くらいかけて急激に大地震のように起こっていく」から。 上の子供達2人の時とは、全く異なる子育てが待っている。そのことは、ガートナーさん自身が一番感じていることでした。ガードナーさんは不安と恐怖でパニック状態になり、涙を止めることができなかったといいます。
SNSに「いいね♡」をつけていく作業の重要性
NICU(新生児集中治療室)から退院後も、気分が落ち込み、まりいちゃんをベビーベッドへ見に行くことが怖かったというガードナーさん。著書では、 「まりいちゃんをまりいちゃんとは見られない。どうしても、ダウン症の赤ちゃんだ! と、顔を見るとダウン症の特徴を探すことばかりしてしまい、まりいちゃんを『ただかわいい』と純粋に思えない、そんな自分に疲れていた」 と、混乱の状況を振り返っています。 そんな中、ガードナーさんはモデルのアマンダ・ブースさんの記事を目にします。アマンダさんの息子さんは、生後3ヵ月でダウン症と診断。しかし、アマンダさんは息子がダウン症であることを隠すこともなく、子供と過ごす幸せな日々をInstagramで発信していました。ガードナーさんは、そんな彼女のインスタを見るために、自らもアカウントを開設します。 そうして、インスタでダウン症児のいる世界中の家族を発見してはフォローし、「いいね」をつけ続けました。 「みんな幸せやん」 ガードナーさんの暗かった心に光をもたらしたのは、世界中の幸せそうな家族の笑顔でした。「いいね」の効能について、ガードナーさんは本書でこう語っています。 「いいねを押す。その作業は今振り返ると、必要不可欠な行為であったと思う。♡をつけることはダウン症への漠然とした恐怖心の取り除きの作業になった。ダウン症についての学びになった。彼らの光に満ちた笑顔にいいねすることで、私にとって将来の見えない不安の影を薄くする、癒しになった」