“丑年”設立の法人は全国で20万6429社、最古は1877年設立の十六銀行
2021年の干支は“丑(うし)”。全国で丑年に設立された法人は20万6429社で、全国の約320万法人のうち、十二支では最も少ない6.4%だった。 丑年に設立された法人のうち、最も古い設立年は1877(明治10)年。同年の設立が唯一、確認された十六銀行(岐阜県)は、1872年制定の国立銀行条例に基づいて設立され、現存する「ナンバー銀行」では新潟県の第四銀行に次ぐ2番目の古さを誇る(注:第四銀行は2021年1月に北越銀行と合併し、「第四北越銀行」になる予定)。 丑年に設立された法人の産業別は、サービス業他が6万2514社(構成比30.2%)が最も多く、都道府県別では東京都の4万7340社(同22.9%)が最多。設立年は、2009年が7万5786社(同36.7%)で3社に1社を占めた。月別では、年度始めの4月が2万4490社(同11.8%)だった。 丑年設立の法人で、売上高(単体)トップは1937年8月設立のトヨタ自動車で12兆7297億円。売上高1兆円以上は丸紅、伊藤忠商事の総合商社や、デンソー、三菱食品など、13社だった。 ※本調査は、東京商工リサーチの企業データベースから個人企業や倒産、休廃業・解散した企業などを除いた約320万社(2020年10月24日時点)から、丑年に設立された法人を対象に抽出し、分析した。設立年月は商業登記簿の記載に基づく。 ◇丑年設立の主な法人 丑年で最も古い設立は、1877(明治10)年設立の十六銀行(岐阜)の1社。次いで、1889(明治22)年が、日本盛(兵庫)、セッツ(大阪)、北海道炭礦汽船(東京)、ロイヤルパークホテル(東京)など7社。 1901(明治34)年が、島田掛川信用金庫(静岡)、日本赤十字社(東京)など11社。 丑年設立の上場企業は394社で、全上場企業の10.2%を占め、十二支では最も多い。主な上場企業は、十六銀行のほか、1889(明治22)年のIHI、ユニチカ、1913(大正2)年の佐渡汽船、1925(大正14)年の武田薬品工業、三菱鉛筆、アース製薬、味の素、1937(昭和12)年の丸井グループ、いすゞ自動車、トヨタ自動車、キヤノン、1949(昭和24)年のデサント、サンリオ、カルビー、カゴメなど、各業界を代表する企業が多い。また、2009(平成21)年の設立は、サントリー食品インターナショナル、明治ホールディングス、雪印メグミルクなど35社あった。