国会では29日午後、衆議院本会議で石破首相が政権の重要課題などについて説明する「所信表明演説」を行いました。 少数与党となって以降、初の本格的な国会論戦を迎える石破首相は、演説で「他党にも丁寧に意見を聞く」と強調しました。 石破首相 「自由民主党と公明党の連立を基盤に、他党にも丁寧に意見を聞き、可能な限り幅広い合意形成が図られるよう真摯にそして謙虚に、国民の皆様方の安心と安全を守るべく取り組んでまいります」 演説は、石破首相が冒頭から野党各党に対して、「各党派が真摯に政策を協議し、よりよい成案を得るべきだ」と審議への協力を呼びかけるなど、少数与党となったことを印象づけるものとなりました。 自民党内からは「これまでのような自民・公明主導による国会運営は通用しない」「国民民主党をはじめ、野党から協力を得なければ、自民党が終わりかねない」といった危機感を示す声が聞かれたほか、首相周辺も「国民民主党のことを意識した演説だ」と話すなど、国会の景色が一変した様子が見て取れる演説となりました。 ――その国民民主党が主張してきたいわゆる「年収103万円の壁」については、どのような発言があったんでしょうか 演説で石破首相は、いわゆる「103万円の壁」について、「令和7年度税制改正の中で議論し引き上げる」と明言しました。また、同じく国民民主党が主張していた「ガソリン減税」についても、「見直しに向けて検討し、結論を得る」と強調しました。 野党の声を聞き、政策を取り入れることで国会審議を乗り切りたい石破首相ですが、議論をどこまでまとめきれるのか、手腕が問われることになります。