こだわり仕上げを実現してくれるプロショップへ外装ペイントを依頼!!
前後フェンダーは細かなシルバーメタリックで
実は、パールホワイトと同じように気になっていたのが、安っぽい純正シルバーの再現だった。おそらく純正シルバーはクリアが入っていないと思うが、未再生部品のシルバーを色見本に再現して頂きつつ、最終的には、軽くというか極薄く、クリアを入れて頂いた。 取材協力/ドリーム商會 ────────── POINT ■ポイント1・ペイント後にクラック亀裂などでガス漏れが発生すると2度手間になるので、気になる箇所はペイント前に修理しよう ■ポイント2・色味がわからない時には、経験豊富なペイント職人に相談するのが一番良い ■ポイント3・当時物未再生部品を見本に利用できると安心感が増す ────────── 60~70年代初頭までのガソリンタンクは、メーカーを問わずどれもみな似た感じの製作工程で作られていた。形状やデザインが違っていても、ガソリンの給油口はロウ付けで「口金」が固定されていた。生産当時は品質検査にパスできても、実は、バラつきが多く、走行振動で後々クラック=亀裂が入ってしまうケースが多々あった。それが原因で、ガソリン満タン近くまで入れると、口金周辺からガス漏れや滲みを起こしてしまう例が数多くあった。過去にぼくが所有したこの年代バイクは、この口金問題が特に多かった。最初は「パッキン不良?」なんて思ってキャップガスケットを単純交換してみたが、その後も同じようにガス漏れが発生。本当の原因は「口金のロウ付け不良」だったとわかった。 このDT1に付いてきたガソリンタンクは、以前にリペイントされた様子で美しかった。しかし、タンクキャップの口金付近だけは黄ばんでいた。それを見たときに「また同じトラブルかぁ……」と思った。このフルレストアでは、ガソリンタンクとライトケースはヤマハDT1の純正パールホワイト、フェンダーやライトステーはシルバー、オイルタンクはブラックでリペイントする。そこで、ペイント依頼の前に、タンクの口金周辺をクリーンナップ。口金付近のペイントを剥離してから隙間にPカッターの刃を差し込んでゴリゴリッと清掃。そこまで作業してから、埼玉県寄居町のドリーム商會さんへパーツ一式を持ち込んだ。鈑金ハンダ処理が得意なショップだから、安心してお任せすることができる。最近はフラックス入りの鈑金ハンダを利用しているそうで、これを使うと、ハンダ後のサビ発生の心配が少ないそうだ。 もうひとつ気になっていたのが「青みがかったパールホワイト」の再現だった。DT1のパールホワイトのお話を小島社長とから伺うと「確かに変わった色味のパールホワイトですよね?以前にDT1のペイント依頼があったときに、色見本を作りましたからありますよ」と気になる色見本を見せてくださった。思わず「ビンゴ!!」と叫んでしまいたくなるほどの色味。確認のために未再生で程度が良いライトケースをバイク仲間からお借りして持参したが、まったく同じ色だった。青みがかっている様子は、他のパールホワイトと比較しても大きく違っていた。「RZ250のパールホワイトは白が強いですが、DT1は確かに青っぽいですね」と。これで心配は御無用。あとはドリーム商會さんにお任せして、仕上げて頂こうと思います。ちなみにぼくがお願いした唯一の要望は、当時の純正部品のように「安っぽい輝き!?」にして頂ことでした。
たぐちかつみ