トランプ氏 ウクライナ停戦監視に米軍関与せず NATO加盟「支持せず」発言 米報道
【ワシントン=坂本一之】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は13日、トランプ次期米大統領が7日のウクライナのゼレンスキー大統領、マクロン仏大統領との3者会談で、ウクライナが強く求める北大西洋条約機構(NATO)加盟を「支持しない」と述べたと報じた。トランプ氏はウクライナでの戦争終結をプーチン露大統領に求めていて、会談では停戦した場合の外国軍による停戦監視に米軍が関与しない考えも示した。 【画像】ウクライナ新兵器「ドラゴンドローン」…2200度の溶解鉄降らせる トランプ氏は訪問先のパリで実施した3者会談で、停戦後は防衛力を備えた「強いウクライナ」の構築に期待を示す一方で、ゼレンスキー氏が訴え続けるNATO加盟は支持しないと伝えた。 ウクライナの防衛と支援における主要な役割を欧州が担うべきだとし、停戦が実現した場合にはウクライナで欧州各国の軍が監視に当たることを求めた。 また、中国がロシアに戦争終結への圧力をかけるよう、欧州各国に中国への対応を促した。3首脳は、中国がロシアに戦争終結を働きかけない場合に対中関税を交渉の「切り札」として使うことを協議したという。 ロシアのウクライナ侵略に対する米国の対応を巡っては、バイデン政権が欧州やインド太平洋地域のウクライナ支援を主導し、ウクライナ軍の領土奪還や防衛を支えてきた。これに対しトランプ氏は、戦争の早期終結を訴えている。ただ、具体的な対応策を公で言及することは控えている。 報道によると、トランプ氏は政権移行チームなどから停戦や和平実現に向けた対応案の報告を受けているが、具体案はまだ固まっていないという。「重要な決定」は国家安全保障チームが発足し、関係国首脳との協議を踏まえて決めることになるとみられている。 ゼレンスキー氏は3者会談後の9日、自国の安全を保障するためにNATO加盟が必要だと改めて求める一方で、加盟するまで外国軍がウクライナに駐留する案を検討していると明かしている。