ツイッターの新CEOはインド出身37歳の理系エリート、技術的課題と経営課題で手腕に期待
ジャック・ドーシー氏の辞任で、ツイッター新CEOに就任した謎の人物
2021年11月末、ツイッターの共同創業者で最高経営責任者(CEO)を務めてきたジャック・ドーシー氏が同職を辞任することを発表。同時に、CEOの後任に同社最高技術責任者(CTO)を務めてきたパラッグ・アグラワル氏を起用することを明らかにした。 このアグラワル氏、世界的に知られるソーシャルメディアのCTOだったものの、ドーシー氏とは対象的にソーシャルメディア上では特に活発な発言は行っておらず、海外メディアは「謎の人物」として、その素性を明かすことに躍起になっている。 アグラワル氏とはどのような人物で、どのようなことが期待されているのだろうか。
名門インドIIT出身の理系エリート、ツイッター新CEOの経歴
ビジネス向けSNSリンクトインのアグラワル氏のアカウントから、学歴と職歴、またどのような分野を得意としているのかを確認することができる。 学歴は、小中高がAtomic Energy Central School、その後インド工科大学(IIT)ムンバイ校でコンピュータサイエンス&エンジニアリングの学士号、米スタンフォード大学でコンピュータサイエンスの博士号を取得している。 Atomic Energy Central Schoolとは、インド原子力省で働く従業員の子女のための学校で、幼稚園から短大(junior college)まで一貫した教育が提供されている。アグラワル氏の親が原子力分野のエンジニアである可能性を示唆する情報だ。 アグラワル氏が学士号を取得したインド工科大学とは、世界的に名の知れた理系大学。インド国内にはIITマドラス校やIITデリー校など計23校が存在するが、同氏が卒業したムンバイ校はそれらIIT大学の中でも上位に位置づけられている。 このIIT、卒業生の多くがIT業界に入るが、大手テック企業のトップに上り詰める事例は少なくない。グーグルの現CEOであるサンダー・ピチャイ氏(IITマドラス校出身)がその最たる例といえるだろう。 アグラワル氏は、IITで学士号を取得した後、米スタンフォード大学のコンピュータサイエンス博士課程に入学し、主に機械学習や分散コンピューティングシステムの研究に従事していたと思われる。博士課程に在籍していた2005~2012年の間、インターンとして、マイクロソフト、Yahoo!、AT&Tでリサーチに携わっていた。 ツイッターには2011年10月にソフトウェアエンジニアとして入社。当初は、広告プロダクト開発に携わっていた。CTOに任命されたのは、2017年10月。CTO就任後、パスワードセキュリティ問題など大規模課題の解決に関わるようになる。