【レビュー】歩行強化デバイス「ムーンウォーカーズ・エアロ」 価格に見合う価値はあるか?
空港などにある「動く歩道」の上を歩いているような感じ
カーペットの上では、モーターが作動するのが感じ取れたが、路上では同じような感覚がしなかった。実際、ちゃんと作動しているのだろうかと疑念を抱いたほどだ。テストを続けていると、時々モーターがかすかに作動しているのが感じられた。速く歩くほど強力に作動することになっており、歩き出すと内蔵されているAIがユーザーの歩幅を学習し、よりスムーズに機能するようになるはずだが、私はまったくそうは感じなかった。そこで私は自宅のガレージに戻り、大きな敷物の上を歩いてみた。すぐにモーターが作動するのが感じられた。 次に私はムーンウォーカーズ・エアロを近所のバスケットコートに持って行った。なめらかな地面で試してみようと思ったからだ。ここでもきちんと作動したが、すごいというほどではなかった。皮肉なことに、バスケットコートで試し終わった後、周囲の芝生の上で試してみたところ、驚くほどの効果があった。芝生がまるで氷の上を滑っているように感じられた。すばやくスムーズに、芝生の上をあっちへ行ったりこっちへ行ったりと動くことができた。 きちんと機能しているときは、空港などで通路をより速く通り抜けられる「動く歩道」の上を歩いているような感じだ。私はずっとホッケー選手として生きてきたので、スケートのような歩幅で進もうとしてもムーンウォーカーズ・エアロは役に立たないことをすぐに学んだ。この機器では、むしろ普通の歩き方が求められる。コンクリートの路面で私が感じた問題を伝えると、会社の担当者は、一歩踏み出すごとに着地を大げさにすると、もっとスムーズに機能するようになると提言した。そのとおりにやってみたら、確かに最初に路上で試したときよりもうまく機能するようになった。 私の全体的な印象は次のとおりだ。この製品が目指すマイクロモビリティとしての取り組みは気に入った。ただし、まだ本格的に普及するための準備が整っているとは思えない。人を外へ連れ出して運動させるための道具としては、すばらしい製品だ。しかし、重量があってぎごちないことを考えると、毎日の通勤や移動で長距離を歩く人にとって実用的とは言えない。また、平坦な地面や緩やかな傾斜でしか機能しないため、一般的な街路では信頼に足る製品とは思えない。しかも、ガチャガチャという音やブーンとうなる音がして、かなりうるさい。 試してみるのは楽しかったが、いつの日か、もっと動作も形も洗練されて、軽量化されたバージョンが、靴に組み込まれるようになるのを期待したい。ムーンウォーカーズ・エアロは1199ドル(約18万3000円)という価格がつけられているが、現在は公式サイトで839.30ドル(約12万8000円)で販売中だ。
Scott Kramer