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ごちそうともてなしに心なごむ「感動列車の旅」|作家・山本一力が乗る『或る列車』

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サライ.jp

贅を尽くした車内で供される最上級の食ともてなし。思い出深き九州の旅へ

数々の観光列車が走る九州で、その豪華さとスイーツのコース料理でひときわ光彩を放つのが「或る列車」だ。デザインと設計は、JR九州の「ななつ星in九州」を手がけた水戸岡鋭治さん。平成27年の運行開始から5年目を迎える、2両編成、定員38名の人気の列車だ。 「或る列車」とは、ユニークな列車名だが、これは明治時代に九州鉄道(JR九州の前々身)がアメリカのブリル社に発注した豪華客車に由来する。客車は完成したものの、九州鉄道の国有化の流れの中で幻の列車となってしまった。そこから、鉄道をよく知る人たちの間では「或る列車」という呼称で語り継がれてきた。 そんな幻の列車が現代に蘇った。外観からして奇抜。金と黒を基調にした列車が博多駅のホームに入線すると、それだけで歓声が上がる。乗客は赤絨毯で迎えられ、乗車すると、九州の職人たちが手がけた豪華な内装に2度目の声が上がる。

スイーツのコースが供される

旅人は、作家の山本一力さんと英利子さん夫妻だ。作品の取材で旅をすることが多い山本さんの同伴は、いつも英利子さんが務める。 車内に足を踏み入れて、まず声を上げたのは英利子さん。 「わーすごい! なにこれ」 と言ったきり次の言葉が出てこない。一力さんも驚きの表情を隠さない。木材をふんだんに使った調度の数々は、列車の概念を覆す。 これからハウステンボス駅(長崎県佐世保市)までの約3時間、ウェルカムドリンクに始まり九州の食材を使ったとびきりのランチとスイーツが供されるのである。

客室乗務員による温かなもてなしの空間

刻々と移り変わる車窓を眺めながら、一力さんはこう語る。 「最初の飲み物から一気に引き込まれましたね。私は酒を飲まないのですが、夏みかんのジュースや緑茶、コーヒーなどどれをとってもおいしい。特に気に入ったのが大分の炭酸水です。泡がじつに細かくて口当たりが素晴らしい。わが家に取り寄せたいほどです」 ランチが終わると、いよいよスイーツのコースが始まる。この日のメニューは4皿に6点のスイーツが車内で盛り付けられ、絶妙のタイミングで運ばれてくる。ランチ同様、どれも九州産の食材が使われている。

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