シルバーストンの旧1コーナー『コプス』、今のメルセデスじゃ全開はムリ? ラッセル「ウイリアムズ時代はいけたけど……」
今季からチャンピオンチームのメルセデスに加入したジョージ・ラッセルは、毎戦安定して上位入賞を果たしているものの、最高位は3位となっており、優勝争いやタイトル争いには絡めていない。今季型マシンのW13は新レギュレーションの影響を受けてライバル以上にポーパシングやバウンシングに苦しんでおり、昨年ほどのパフォーマンスを発揮できていないのがその大きな理由だ。 【動画】ナイジェル・マンセル、1992年のF1を制した時の”相棒”ウイリアムズFW14Bをドライブ メルセデスはスペインGPでのアップデートなども奏功し、シーズンが進むにつれて空力由来のポーパシングは改善することができたが、依然としてパンピーな路面で車体が底付きしてしまうバウンシングに悩まされている。 「バルセロナに行った時は驚いた。ストレートでポーパシングしなくなったのに、コーナー、特にハイスピードコーナーであるターン3、ターン9の進入でバウンシングしていた」 そう語るラッセル。次戦イギリスGPは高速コーナーが多いサーキットだが、旧1コーナーであるコプスを走るのは簡単ではないと語った。 「僕たちの予選のオンボード、そしてフェラーリのオンボードなんかを見ると、どちらもターン3とターン9ではガシャン、ガシャンと音がしているように聞こえる。あそこ(の進入速度)は250km/hだけど、コプスは300km/hだよ」 「だから操縦するのは簡単ではないだろう。でも、他のいくつかのチームもそれは同じだと思う」 ラッセル曰く、昨年自身がドライブしていたウイリアムズFW44は全10チームの中で特にパフォーマンスに劣るマシンであったにも関わらず、フリー走行からコプスを全開でドライブできていたという。 「今年はそうならない(コプスを全開で走れない)自信がある。昨年よりも高速走行時のダウンフォースはかなり増えているけどね」とラッセルは言う。 ラッセルはまた、スペインGPでの高速コーナーのフィーリングについて、「車内は最悪」だったとしながらも、メルセデスは高速コーナーにおけるパフォーマンス自体は秀でており、その点はかなり興味深いと感じている。メルセデスはラッセルとルイス・ハミルトンの母国レースでもあるイギリスGPに向けてさらなるアップデートを施す予定であり、そのパフォーマンスにも注目が集まる。 モナコ、アゼルバイジャン、カナダなどの公道を利用したサーキットでは苦戦したメルセデスだが、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表もメルセデスはクラシカルな常設サーキットでは上位争いに食い込んでくるだろうと予想している。 ただしラッセルは、チームがマシンの問題を完全に解決しない以上、好成績は保証できないとコメントした。 メルセデスW13について「ポテンシャルがあることはずっと前から分かっていた」と語るラッセルはこう続けた。 「過去3戦はバルセロナとは全く異なるレースになったと同時に、3レースとも同じような結果になったことには驚かされた」 「これら3つのストリートサーキットはどれも非常にバンピーで、低速コーナーがある。だから低速コーナーで速いクルマやバンプや縁石に強いクルマがあれば、3レース全てで速く走ることができるだろう」 「ここからは、シルバーストン、オーストリア、ポールリカール、ブダペストと伝統的なサーキットが続く。とはいえ、どのサーキットを走るにしても、自分たちは今あるパッケージの問題点を探っている途中なのは確かだ」 「だからそういうサーキットに行ったからといって、調子が良いという保証はないんだ」
Luke Smith