東京環境工科学園と協定 館山 獣害など地域課題解決へ
獣害などの地域課題の解決に向けて、千葉県館山市は10日、学校法人東京環境工科学園(東京都墨田区、山瀬一裕理事長)と「連携と協力に関する協定」を締結した。同学園が、包括的な内容で協定を締結するのは同市が初。
同学園は、環境調査・保全の人材を育てる「東京環境工科専門学校」を運営。卒業生で地域おこし協力隊の沖浩志隊員や市議会議員などの縁で、平成30年から市内をフィールドワークの場とし、学生らは農家と協力しながら、鳥獣対策などの実習に取り組んでいる。また、昨年の台風災害の際には倒木の撤去など災害復旧に貢献している。
協定は、両団体が緊密な連携と協力を行い、地域課題に適切に対応して、自然と共存する持続可能な社会の発展に寄与することを目的に結ばれた。
連携事項は▽教育および人材の相互育成に関すること▽自然環境の保全および持続可能な利用に関すること▽農業、観光など地域産業に関すること▽防災および災害復旧に関すること▽活動情報の相互発信に関すること▽その他、協定の目的を達成するために必要な事項に関すること――の6項目。
菜の花ホールであった締結式で、山瀬理事長は「自然保護に携わる人材を育成するために学校を立ち上げ、現在は各地で卒業生が自然保護や環境保全の分野で活躍している。これまでも地域の方々とのつながりを大事にしてきたが、協定をきっかけに、現場での学びを大切にし、館山での実習を充実させたい」と今後に向けた抱負。
金丸謙一市長は「市は、持続可能なまちづくりを大きな柱に取り組んでいる。さまざまな地域課題がある中で、専門的な知識やノウハウなどの教えを頂きながら、自然と共生する持続可能な地域社会を連携して目指していきたい」と協定の意義を強調した。
市としては、同学園の高度な専門的な知識や先進的技術による支援を受けながら、獣害を中心とした自然環境や農業に関する地域課題の解決に向け、積極的に取り組んでいきたいとしている。