“思い出の味”愛され40年 不動の人気「ババロアパン」 大胆にはさんで「不思議な感じ好き」
■思い出の味
長野県下諏訪町の「サンコーパン」のロングセラー商品「ババロアパン」。その名の通り、ババロアを挟んだパンだ。1980年代半ばに大胆かつシンプルな発想で生まれた商品は、地域の“思い出の味”ともなっている。およそ40年にわたって人気を維持している理由に迫った。 【動画で見る】愛され40年 不動の人気「ババロアパン」 大胆にはさんで「不思議な感じ好き」 こんがり焼き上がったパン。 そこにはさむのは、「ババロア」。 下諏訪町の大門通りにある「サンコーパン」。 下諏訪町や岡谷市の学校給食用のパンを手掛けながら、およそ200種類のパンを作っている。 その中でおよそ40年にわたり、不動の人気ナンバーワンとなっているのが「ババロアパン」だ。
諏訪市から: 「もう何回も食べてます、おいしいので。モチモチしていておいしいです、ババロアが」 岡谷市から: 「祖母がよく買ってくれていました。(パンとババロア)別々に食べるのと一緒に食べるので、全然味が変わって、不思議な感じが好きです。(おばあちゃんの思い出の味?)そうですね」 思い出の味ともなっているババロアパン。 現在、作っているのは2代目の佐々木竜一さん(59)。 サンコーパン 2代目・佐々木竜一さん: 「まぎれもなくナンバーワンなので、うちの店では。私が高校生くらいの頃から人気があったパンらしいので、それを絶やしてはいけないというプレッシャーもある反面、やりがいを感じています」
■“幻のパン”とも
「サンコーパン」の創業は60年ほど前。 別のパン店で働いていた小沢良三さんと、岩﨑光男さんの同僚2人で立ち上げた。 店の名は2人の名前から一文字ずつ取って「三光パン(※現在は、サンコーパン)」とし、岩﨑さんが店主になった。 小沢さんはその後、岩﨑さんの妹と結婚し、2人は義理の兄弟に。二人三脚で営む中、1980年代半ばに「ババロアパン」が誕生する。 考案したのは小沢さん、現在89歳だ。
ババロアパンを考案・小沢良三さん(89): 「当時、ケーキなんかも作っていましたからね、ババロアのケーキを作っていましたのでね。ババロアをパンにはさんだら、おいしいんじゃないかと。そういうことでもって始めたんですけどね、これはうまくいったと思いましたね。(すぐ売れた?)売れました、売れました(笑)」 大胆かつシンプルな発想で生まれた「ババロアパン」。 店は、1980年から2000年ごろまで近くの下諏訪向陽高校で出張販売もしていて、ババロアパンは高校生にも人気だった。 ババロアパンを考案・小沢良三さん(89): 「いつも足りないくらいでね。買えない子ども、いっぱいいましたので『幻のパン』だなんて、みんな言っていましたよ」