Netflix「極悪女王」大森ゆかり役で注目の隅田杏花「演じたいのは”女カイジ”」
女優隅田杏花(28)が、大ヒット中のNetflixのオリジナルドラマ「極悪女王」で女子プロレスラー大森ゆかり役を好演している。主役のゆりやんレトリィバア(34)が演じるダンプ松本、クラッシュギャルズらと同期の全日本女子プロレス1980年(昭55)入団組。21年の秋にオーディションに受かるまで「プロレスを見たことはなかった」という隅田に聞いてみた。【小谷野俊哉】 ◇ ◇ ◇ 学生時代はバレーボールをやっていたが、プロレスに関する知識はゼロだった。 「週に3回の身体作りのトレーニング、合間に千葉・船橋にある女子プロレス『マーベラス』の道場に通って、受け身や技を教わりました。ボディースラム、首投げ、ドロップキックから、大森さんの得意技のバックフリップとか。まるで部活みたいな雰囲気で楽しかったです」 つらかったのは体重を増やすことだった。 「私は身長160センチなんですが、75キロまで増量するように言われました。70キロまではすぐに増えたんですが、そこからが大変。ご飯をひたすら食べて、小腹が空いたらお餅かお団子を食べてという具合でした。お会いした大森ゆかりさんは、明るく朗らかな方で『太らせちゃってかわいそう』と言ってくれました」 22年1月からトレーニングを積んで、同7月にクランクイン。万全の体制で撮影を続けた。 「月に1回、メディカルチェックを受けて、数値が悪いところは改善させられました」 主役のダンプを演じたゆりやんは、出演者に対して気配りの人だったという。 「まさに“座長”という感じでした。撮影が長くなって、みんな疲れてくると集中力が途切れてくるんです。そんな時でも、ゆりやんさんはリング上でネタを披露してくれて、みんなを和やかにリフレッシュさせてくれました」 クラッシュギャルズのライオネス飛鳥役の剛力彩芽(32)については「すごいストイックなんだけど、すごい優しい。誕生日にはメチャクチャ長いラインを送ってくれました」。同じく長与千種役の唐田えりか(27)は「天真らんまんでキラキラ輝いていました。休みの日は、一緒に箱根に遊びに行ったりするくらい仲良くなりました」。クレーンユウ役のお笑いコンビ、マリーマリーのえびちゃん(29)は「2人1組で一緒にトレーニングをすることが多かったんだけど、めっちゃポジティブでした。私が悩んでいると励ましてくれました。運動神経もすごく良くて、難しい技をすぐにマスターしていました」。 小学校高学年から芸能界に興味を持って、ハロー!プロジェクトのオーディションを受けたりもしたが、バレーボールに全力投球した。 「夢がありつつも、楽しい高校生活。将来は助産師になりたくて、大学に入りました」 着実な人生設計を変えたのが、新聞で見た「劇団4ドル50セント」のメンバー募集記事。17年8月に劇団員31人で旗揚げ会見をした。 「舞台がどういうものか全く知らなかったんですけど、全員一緒に『用意、ドン!』で始まったので、楽しかったですね」 昨年4月いっぱいで同劇団を退団して「極悪女王」で大きく羽ばたいた。 「舞台だと一緒に長く稽古をしますが、映像だと自分なりに役を作り上げて行って、稽古や本番で披露する。瞬発力が求められるので大変ですが、それも楽しみです」 やってみたい役がある。 「藤原竜也さんが大好きなんですけど、藤原さんの代表作の映画『カイジ』シリーズみたいな“女カイジ”をやってみたいですね。さまざまな欲にまみれて荒ぶっている感じを演じてみたいです」 30代も近づいている。 「今は若くもないし、かといってお母さん役をやれる歳でもないけれど。30歳になったら、いつかシングルマザーの役が来るかも知れない。演じる役にリアリティーを持たせるためにも、いろいろと経験してみたいですね。死ぬまで、女優という仕事を続けていきたいです」 “生涯女優”を誓った。 ◆隅田杏花(すみだ・きょうか)1996年(平8)8月5日、神奈川県生まれ。17年8月に「劇団4ドル50セント」旗揚げに参加。18年2月旗揚げ本公演「新しき国」、21年映画「地獄の花園」、24年TBS系「不適切にもほどがある」に出演。特技は炭酸一気飲み。160センチ。血液型A。