Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

三浦春馬さん 遺した日記に綴られていた、命と向き合う言葉

配信

NEWS ポストセブン

 もちろん、素のままの笑顔を周囲に見せることだってあったに違いない。時には、仲間に悩みを打ち明ける夜もあっただろう。しかし、家族については、あるときから明確に距離を置き始めた、とは事務所関係者。 「4年前、彼は携帯電話の番号を変えています。理由を聞くと、『親と縁を切るため』と。親には番号を伝えないよう釘を刺されました。それまで彼は実母、そして実母の再婚相手である継父との関係は悪くなかったのですが、2人が金銭トラブルを起こしたり、三浦さんのプライベートに過度な介入をしたりしたため、連絡を絶ったようです」  周囲に傷を見せまいと常に笑顔を振りまいていた三浦さんだが、家族という大事な部分に歪みが生まれて以降、徐々に精神的に不安定な様子を見せはじめていた。 「撮影の時間になっても楽屋からなかなか出てこなかったこともありましたし、中から大きな叫び声が聞こえたこともありました。それに、一部で報じられていたように、酒量が増えていったのも確かです。地方公演先で、何かに追い立てられるように長時間飲んで、翌日の東京での仕事に遅れそうになったこともありました。今年に入ってからは、LINEもやめてしまっていましたね。ただ、それも役作りのためなのかと思っていました。周囲とのつながりを絶つことで、孤独な人格を三浦さんなりに理解しようとしていたのかなと」(テレビ関係者)  ストイックゆえに三浦さんの小さなSOSが届きにくい環境があったのかもしれない。

命、人生、そして死

 そうした中で三浦さんは、あるドラマと出会う。  8月15日放送予定の『太陽の子』(NHK)だ。役柄は、第二次大戦末期、陸軍の下士官として戦地に出向いていたものの、肺を患って一時帰還した石村裕之という男。役柄のプロフィールにはこう書かれている。 《前線での壮絶な体験を顔に出すことなく、家族に対して明るく、優しくふるまう》

“真実”に蓋をして、つとめて明るく振る舞う石村の姿に自分を重ねたときがあったのかもしれない。三浦さんが番組に寄せたコメントが、悲劇の死を遂げた後だと一層、重く響く。 《散る事を見据え、残された日々をどう過ごすべきか…  家族に対して気丈に振る舞う学徒出陣兵がどれだけ辛かったか‥  若くして、自分が居ない未来に希望を託す青年の想いを役を通して考えさせられました》  命、人生、そして死。解けない難題に対峙する姿や、その重みを感じさせまいと無理にでも笑う瞳までもが、『僕のいた時間』で向き合った澤田拓人という役柄でもあり、三浦さん自身でもあった。  自分の人生から目を逸らしたいとき、いろんな人格になれる役者という居場所を見つけた三浦さんだったが、いつしか、役柄の人生と自分の人生とが重なり合い、離れなくなっていった。  捜査関係者が唇をかむ。 「三浦さんが自宅に遺した日記のようなものには、自らの命と向き合う言葉がいくつも連なっていました。NHKに寄せたコメントと同じ、『散ることを見据えてどう過ごすべきか』というはじまりから書かれた日記も。『役の石村裕之について』と続き、『戦時中に肺の病気で役目を果たす事なく帰郷したが、前線で体験した壮絶な体験を顔に出すこと無く作った笑顔で日々を過ごすべきか。苦悩する姿に自分を重ねている』との言葉が記されていました」  三浦さんが演じた石村は、ドラマの中で、精神を蝕まれ入水自殺を試みる。昨年9月、京都・京丹後市でのロケで、死を覚悟して海へと入ってゆく三浦さんの胸には、どのような思いが去来していたのだろう。 「三浦さんは役者としてかなり完璧主義のかたですよね」とは、精神科医の片田珠美さん。  三浦さんは生前、雑誌のインタビューで自分の性格について分析を繰り返していた。 《以前、あるマネージャーに「あなたは完璧主義だから、いい意味でもっと適当にしなさい」と言われたことがあるんです。それで最近は「自分は別に完璧じゃないんだから、100点を出せなかったとしても幻滅しないように」と思うようにしています》(PHPスペシャル2019年1月号) 《困った時は『助けて』と周囲に言えるようになったし、ダメな自分を許したことで、すごくオープンな性格になったと思います》(MORE 2019年10月号)

【関連記事】