フリーメイソンとは何なのか、カトリックは入会禁止、陰謀論渦巻く秘密結社の本当の姿
18世紀の啓蒙主義の時代に大きく発展、初代米国大統領ワシントンやモーツァルトも会員だった
政治家で牧師のジェシー・ジャクソン、初代米国大統領ジョージ・ワシントン、作曲家ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト、作曲家デューク・エリントン、宇宙飛行士エドウィン・“バズ”・オルドリンの共通点は何か。それは、全員フリーメイソンということだ。数世紀もの間、秘密の儀式を守り抜いてきた世界最大の秘密結社だ。 ギャラリー:フリーメイソンの本当の姿、陰謀論が絶えない秘密結社 写真7点 陰謀論者は、フリーメイソンが世界の権力と経済を裏から操り、いくつかの有名な暗殺事件にも関わったと考えている。会員たちは悪魔を崇拝しているという噂まである。 しかし、この秘密結社に関する話は、どこまでが真実でどこからがフィクションなのだろうか。その歴史と真相を紐解いてみよう。
フリーメイソンの起源
フリーメイソンのルーツは中世の石工組合と考えられているが(石工のことを英語でメイソンという)、膨大な数の会員のほとんどはもちろん石工ではない。石工の数が減るなかで、石工以外の組合員も受け入れるようになったためと考えられている。 現代の形のフリーメイソンが誕生したのは、18世紀の啓蒙時代の頃だった。教育を受けた英国の男たちが、互いに交流し、哲学や宗教、人生について語り合う場を求めて酒場に集まるようになり、やがてその酒場の名を冠したグループが各地で生まれた。 そのグループが集まってグランドロッジを結成し、入会の儀式やそのほかの式典を行うようになった。今も残っているプレミア・グランド・ロッジ・オブ・イングランドが最初に結成されたグランドロッジで、その後会員が増えるにしたがって、秘密の儀式や入会条件が増えていった。 北米メソニック・サービス協会によると、2020年の時点で米国の会員数は約89万8000人。世界には600万人の会員がいると推定されている。
誰がフリーメイソンになれるのか
現在、入会条件はそんなに厳しくはないが、各団体やロッジによってルールが異なる。一般的には、男性で、ほかの会員の推薦があり、神の存在を信じていること。それから、高い道徳的品性を持ち、友愛の道を学び、フリーメイソンの言う「古代の習わしと習慣」に従うという誓いを立てることが求められる。 その習慣中には、厳格な階級制度や、様々な儀式、儀礼などが含まれる。入会した会員は、「従弟」から始まって「職人」「親方」へと昇級する。その過程で会の用語、儀礼、信条を学び、聖書信仰に基づいた儀式に携わる。 フリーメイソンは、様々なシンボルを採用している。例えば、直角定規、道徳を表すコンパス、協調と協働を表す養蜂箱のほか、神の永遠の見守りを表す「プロビデンスの目」または「万物を見通す叡智の目」と呼ばれるシンボルは、会員でなくても広く一般に知られ、米国の1ドル紙幣にまで描かれている。