非鉄主要37社の4~9月期業績ランキング、コロナ禍で14社が赤字。増益企業は2割、ROS首位は東京特殊電線
鉄鋼新聞社調べによる主要非鉄企業37社(流通企業などは除く)の20年4~9月期(一部1~6月期と3~8月期含む)業績ランキングがまとまった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で自動車向けをはじめとした需要が大きく落ち込んだことなどから37社中35社が減収。増益企業は全体の2割(8社)にとどまり、4割弱の14社が経常赤字となった。経常利益ランキングではJX金属がトップ、次いで住友金属鉱山、三井金属となり、トップ3を非鉄製錬3社が占めた。売上高経常利益率(ROS)ではROS10%超を確保した東京特殊電線が3年ぶりの首位となった。 37社の売上高合計は約5兆5068億円で、前年同期に比べ約1兆2652億円(18・7%)減少した。経常利益は37社合計が約499億円で同比約2515億円(83・4%)減少。コロナ禍による厳しい事業環境を映し、ランキングの上位企業でも減収・減益が目立った。 ROS平均は、黒字企業が前年の32社から23社に大幅に減少したこともあり、4・83%と前年同期の4・89%からは小幅な低下にとどまった。ROSが10%超となったのは東京特殊電線のみで、前年に比べ1社減少。5%超は9社で同3社減少した。 業種別で見ると、非鉄製錬大手は7社中3社が増益、1社が黒字転換となった。コロナ禍による自動車関連需要の落ち込みがあったものの、情報通信分野の需要が堅調だったことに加え、貴金属価格の上昇などから全7社が黒字を確保した。7社合計の経常利益は約964億円で同比57億円(6・3%)増加した。 電線大手は、コロナ禍で自動車関連事業が大きく落ち込み、1社が減益、2社が経常赤字に転落した。一方、フジクラは事業構造改革効果や費用削減の諸施策、銅価上昇による評価差益などから増益となった。 アルミ圧延大手もコロナ影響で4社中3社が赤字となり、黒字を確保した日本軽金属ホールディングスも3割の減益となった。缶材などの需要が堅調だったが、自動車や産業機械などの分野での販売が減少した。