いばらき出会いサポートセンター AIでお見合い倍増 スマホで利便性も
結婚を望む男女に出会いの場を提供する「いばらき出会いサポートセンター」の登録会員のうち、2021年度にお見合いしたのは2257組に上り、前年度の2倍に急増した。昨春導入したAI(人工知能)によるマッチング支援をはじめ、スマートフォンなど会員個人の端末から相手を検索できる仕組みに変更したことで利便性も向上した。 同センターは06年に茨城県と県労働者福祉協議会が開設し、県が運営に関わっている。会員はプロフィルや相手に希望する条件などを事前に登録。これまでは水戸、牛久、日立、下妻、神栖市の計5カ所に開設された各センターの端末から相手の登録情報を検索し、双方の意向を踏まえてお見合いや交際から、成婚に結び付けていた。 昨年4月、同センターは新たにAIマッチングシステムを導入。会員が事前に行った「価値観診断テスト」や登録情報、希望条件などに基づき、AIが理想的なお見合い相手を選び、ほぼ週1回の頻度で各会員への紹介を始めた。 センターを訪れなくても会員個人のパソコンやスマートフォンから相手の検索をできる仕組みも構築。若者のニーズを考慮し、「いつでもどこでも婚活が行える」(県少子化対策課)よう利便性を向上させた。これにより、センターを3カ所閉鎖し、水戸と牛久の2カ所に集約した。 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、昨年9月からはオンラインお見合いの提供を始めた。お見合い日程を調整する際、ビデオ会議サービスを使ったオンライン方式を選択できるようにした。 新型コロナの影響で20年度のお見合い件数は1114件に落ち込んだが、取り組みが功を奏し、21年度は前年比102.6%増。1600件ほどで推移していたコロナ前の水準も大きく上回った。 交際件数についても「真剣交際」の段階まで複数人と交際することが可能となり、21年度は前年度の415組から930組と2.2倍に増えた。 県少子化対策課によると、同センターの支援による成婚は同2.5倍の49組。同課は「新たな仕組み構築から1年たち、滑り出しは順調。今後もPRを進め、カップル成立のお手伝いを進めていきたい」と期待を込めた。
茨城新聞社