42歳の妻「私が貯めた1000万、夫になんて分けたくない!」浪費家の夫と離婚するとき、損をしないために知っておきたいこと【共働き夫婦の財産分与】
節約が当たり前…で育った妻と、浪費家の夫
「彼は平成生まれなのに、昭和の亭主関白みたいな感じなんです!」と心菜さんは嘆きます。彼女の悩みの種は金銭感覚が全く違うこと。なぜでしょうか?お互いが産まれ育った環境が違っているからです。 まず心菜さんは4歳のとき、両親が離婚。母親はシングルマザーとして心菜さんを育て上げたのですが、住居は毎月2万円の県営住宅。母親はパートを掛け持ちし、何とか年収200万円を稼ぎ、ひとり親の手当を加え、どうにか暮らしていたのですが、途中で父親からの養育費振込が途絶えてしまい…心菜さんは子どものとき、金銭的に厳しい生活を強いられたので、「節約するのは当たり前。日常茶飯事って感じです」と振り返ります。 今でもスーパーのネットチラシが更新する曜日を暗記しており、スーパーまでの距離とガソリン代を計算し、もっとも安く買えるお店を選んでいます。なるべく朝一番に行き、消費期限が近い見切り品を手に入れます。またメルカリやヤフオクで不用品をポイントに換え、ポイントで中古品を買うように心がけています。心菜さんは二度と貧しい思いをしたくない一心で高校を卒業後、携帯販売会社に正社員として就職。エリアで一位の成績をあげるなど実績を積み重ね、エリアマネージャーに昇進したのです。 心菜さんは質素倹約が苦にならず、独身の間に600万円の貯金を作ったのですが、「うちだけが特別じゃない。どこの家もそうだと思っていました」と言います。心菜さんの身に染みついた習慣は結婚しても変わりませんでした。心菜さんがマネージャーに昇進してから6年間。給料は手取り24万円のまま、ずっと据え置きの状態。一方で物価は毎年のように上昇しているので、出費を最大限、切り詰めることを引き続き、努めてきたのです。 一方の夫はどうでしょうか?実家は多少の不動産を持っている地主。父親は平日に会社員、休日に農業に重視する兼業農家。会社員の給料以外にもアパートの賃料を得ており、比較的、お金に余裕がある家庭に育ったようです。心菜さんは「義母さんは専業主婦だし、両親が揃っているのってうちとは違う感じです」と羨みます。買いたいものは何でも買っていい。夫にとって当たり前のことですが、それは大人になってからも同じでした。 最初に金銭感覚の違いで喧嘩になったのは結婚3ヵ月目のこと。夫が新車を購入したのですが、心菜さんに何の相談もありませんでした。車種はトヨタの86で価格は400万円。頭金なしでフルローンを組んだと言うのです。心菜さんが「ちゃんと考えているの?」と注意をすると、夫は「俺がローンを払うから迷惑をかけないよ」と知らん顔。 もっと大きな問題はスポーツカーだということ。スーパーに買い出しに行こうにもラゲッジが狭くて十分な荷物を詰めません。全幅が広いので駐車場も停めにくいし、車高が低いので乗り降りをしにくい。心菜さんは「私が運転することも考えているの?」と苦言を呈したのですが、「だったら運転しなきゃいいじゃん!」と他人事のように言うのです。 筆者が「その後、どうしたんですか?」と尋ねると、心菜さんは「50万の軽を買いました」と答えます。独身時代の貯金のうち、50万円を叩き、自分用に中古の軽自動車を用意するしかありませんでした。
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