【VW一番の稼ぎ頭】フォルクスワーゲン・ティグアン 1.5 TSIへ試乗 小変更 薄い特徴
フェイスリフトでシャープなルックスに
text:Piers Ward(ピアス・ワード) translation:Kenji Nakajima(中嶋健治) フォルクスワーゲンの売れ筋モデル、ティグアン。街なかで目にする機会も多いSUVだ。非常に人気は高く、フォルクスワーゲンとして世界で最も売れているモデルだという。 【写真】ティグアンとティグアンR 競合クロスオーバーを比較 (154枚) そんな人気者のティグアンが、フェイスリフトを受けた。駆動系やインフォテインメント・システム、デザインなどが更新されている。新しいLEDヘッドライトとフロントバンパーが、目立った違いかもしれない。アルミホイールも新しい。 デザイン的な変更は小さく、ひと回り大きいSUVのトゥアレグへスタイリングを寄せたカタチ。従来から悪くない見た目のSUVだったが、従来よりシャープな容姿になったと思う。 一番わかりやすいポイントは、後ろ姿。テールゲート中央に貼られるVWのエンブレムの下に、TIGUANとロゴが入っていれば、マイナーチェンジ後のティグアンだ。 フェイスリフトに合わせて、トリムグレードも見直されている。英国では、SやSEL、Rライン・テックといったグレードが省かれ、ベースグレードとライフ、エレガンス、Rラインの4種に絞られた。 今回試乗したライフ・グレードは、英国で主力になると予想されている。150psを発揮するガソリンエンジンの1.5 TSIも、多くの英国人が選択するユニットになるだろう。
フォルクスワーゲンらしい安定の完成度
インテリアでの変更点は、主にダッシュボード周り。エアコンの操作パネルが、デジタルなものに置き換わっている。温度調整は、タッチセンサー式のスライダーになった。 その上には、8.0インチのインフォテインメント用タッチモニターが据えられ、一体感を生んでいる。USB-Cポートも、前席側に2口、後席側に1口用意されている。すべて、ライフ・グレードの標準装備となっている。 車内の眺めはスマートで、ドライバーの近い位置にアップル・カープレイとアンドロイド・オートを起動するのアプリ・ボタンがあり、操作性は良好。ちょっと指紋が残りやすいけれど。 ただ、操作の度に視線をモニターへ移す必要性があり、安全性の面で疑問もある。特に温度調整用のスライダーは低い位置にあり、慣れるまではブラインドタッチがしにくい。車内の残りの部分は、良く考えられている。それだけに余計気になってしまう。 ティグアンのライフの場合、3ゾーン・エアコンとスライドも可能なフォールディング・リアシート、シューティング・スターと呼ばれるクロスシートが付いてくる。多くのユーザーにとって、必要十分な装備といえるだろう。 組み立て品質は高く、スマートな容姿と実用性に優れた車内という、フォルクスワーゲンらしい安定のブレンドを構成している。ドアポケットはペットボトルが入るほど大きく、それだけでも便利に感じる。 フェイスリフト後でも、ファミリーSUVとして満足できる仕上がりのティグアン。ドライバーの操作へ正確に反応し、望み通りに運転できる。これもフォルクスワーゲンらしい。