台湾の頼総統、近く初の外遊でハワイに立ち寄りへ-米中緊張のリスク
(ブルームバーグ): 台湾の頼清徳総統は、今後数週間内に南太平洋諸国を歴訪する際、米国のハワイ州と他の領土に立ち寄る予定だ。事情に詳しい関係者が明かした。過去の総統も外遊中に米国へ立ち寄ってきたものの、米中間の緊張を高めるリスクがある。
微妙な話題であるため、匿名を条件に取材に応じた関係者によると、頼氏は今回の訪問で、グアムにも立ち寄る可能性がある。北京が「分離主義者」と批判する頼氏は、数カ月前から就任後初となる今回の外遊を計画していたという。
習近平国家主席率いる中国政府は台湾を、いずれは武力行使も辞さない分離した地域と捉えており、中国の外交同盟国が、台北の政府高官と接触することに反対している。頼氏の今回の訪問計画は、ロイター通信が最初に報道した。
台湾総督府は、頼氏の海外渡航の計画は「直近では」ないとしている。
中国外務省の林剣報道官は15日、北京での定例記者会見で、米国政府は「台湾独立勢力に誤ったシグナルを送るのを止め、地域の安定と平和を維持すべきだ」と述べ、頼氏の米国通過を認めるべきでないとの見解を示した。
米国のトランプ次期大統領が、台湾問題をどう扱うかは不明だ。トランプ氏は、中国に対して強硬路線を採る人物を政府高官に任命する意向を示しているが、選挙戦中は台湾を批判していた。トランプ氏は台湾が米国の半導体ビジネスを「盗んでいる」と非難し、台湾に保護の対価を支払うよう求める発言をしていた。トランプ氏は、選挙戦中のインタビューで、中国が台湾に侵攻した場合、米軍が台湾を守るのかという質問に、直接的な回答をしなかった。
原題:Taiwan’s Lai to Pass Through US Weeks Before Trump Takes Office(抜粋)
--取材協力:Lucille Liu.
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Yian Lee