日産がフランス映画祭に協賛する理由とは?
12月10日から神奈川県・横浜市で「フランス映画祭2020横浜」がスタートした。初日におこなわれたオープニング・セレモニーおよび、日産「リーフ」を使ったドライブ・イン・シアターの模様をマンガ家・コラムニストの辛酸なめ子さんがリポートする。 【写真を見る】リーフ限定のドライブインシアターの詳細(17枚)妖艶な着物姿の米倉涼子も
“フランスと映画は恋愛関係にあります”
日仏の架け橋として重要なイベント「フランス映画祭2020横浜」が開幕。会期は2020年12月10日から12月13日までで、会場は横浜みなとみらい21地区です。 新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、当初予定されていた6月から延期となり、開催されるか瀬戸際でしたが、主催のユニフランス(フランス映画をフランス国外で宣伝するための組織)や共催の在日フランス大使館とアンスティチュ・フランセ日本(フランス政府が管理・運営するフランス文化センター)と横浜市、特別協賛の日産自動車株式会社の尽力により、無事開催される運びになりました。フランスと日本の絆は固いです。 今年で28年目を迎える「フランス映画祭」の歴史は栄光に彩られています。横浜から場所を移し東京開催だった時期もありました。横浜会場、東京会場などこれまでに何度か伺いましたが、忘れられないのは2008年の六本木で開催されたレッドカーペットです。 年齢不詳の魔性の女優、ソフィー・マルソーが映画祭の団長として来日し、舞台挨拶で「フランスと映画は恋愛関係にあります」と、名言を放って主演男優と見つめ合っていました。黒のトレンチコートにデニム姿でレッドカーペットを闊歩していたベアトリス・ダルもかっこよかったです。ゴージャスなメンツが多数来日していて驚きだったあの頃。フランスの俳優は永遠の憧れです。 今年はコロナ禍のため、フランスからの俳優や監督、関係者一同の来日はかないませんでした。ユニフランスの代表と主催者の2人が動画で挨拶し、「来日できない代わりに小さなサプライズを用意しました」と、エッフェル塔の美しい映像を見せてくださいました。「開催期間中、我々の代わりに映画祭を支えてくれる米倉涼子さん」にも賛辞を送っていた2人。ちなみに「今回上映される10作品のうち9作品はすでに配給が決まっています」とのことで、フランス映画の人気は根強いです。 「フランス映画の多様性と豊かさを表現しているラインナップ」という言葉どおり、ラブストーリーやアニメ、裁判サスペンス、社会派コメディ、ドキュメンタリーとバラエティ豊かです。また、来日できないかわりに監督や俳優たちが動画で心暖まるコメントを送ってくれていて(日本のしゃぶしゃぶを食べたいとか、日本愛してる、とか)、むしろセレブが多数来日する例年以上に心暖まるセレモニーになっていた感があります。