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黒沢清監督がベネチア国際映画祭「銀獅子賞」 目覚めたら“世界のクロサワ”「幸運」

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デイリースポーツ

 世界三大映画祭の一つである第77回ベネチア国際映画祭の授賞式が12日夜(日本時間13日未明)に開かれ、女優の蒼井優(35)が主演した「スパイの妻」(日本公開10月16日)の黒沢清監督(65)が監督賞(銀獅子賞)を受賞した。銀獅子賞は審査員大賞と監督賞があり、最高賞の金獅子賞に次ぐ栄誉。日本人の同賞受賞は2003年に「座頭市」で選ばれた北野武監督以来、17年ぶり3人目。新型コロナウイルス感染拡大の影響で現地入りできず、日本で吉報を聞いた“世界のクロサワ”は、リモートで会見し「幸運が残っていた」と目尻を下げた。  ベネチアで授賞式が行われていた日本時間深夜2時過ぎ、コロナ禍の影響でイタリア行きを断念していた黒沢監督は、自宅で熟睡していた。朝、目覚めると祝福メールが殺到していたといい、「本当に驚きました。ラッキーだったなというのが正直なところ。コンペティションに選ばれただけで本当に幸運なことだと思っていたので、使い果たしたと思ったんですが、まだ少し残っていた」と快挙を喜んだ。  本来なら、現地で大きな拍手に包まれていたはずの受賞。妻から「行きたかったねぇ」としみじみ言われたという黒沢監督は「熱狂、熱気の中で(審査委員長の)ケイト・ブランシェットさんから何かもらえたのか。今回は海外(国内)で受け止めている貴重な体験。日本にいるから客観的に見られているかもしれません」とかみしめた。  「スパイの妻」は、太平洋戦争開戦前に偶然恐ろしい国家機密を知り、正義感から世に明かそうとする男性と妻の物語で、黒沢監督の故郷・神戸が舞台。2005年から東京芸術大学の大学院で映画を教えている黒沢監督が、OBの教え子2人と共同脚本で作り上げたオリジナル作品だ。  黒沢監督は、戦争というシリアスな舞台にサスペンスやメロドラマといった娯楽性を融合した点が評価されたのではないかと分析。教え子たちの脚本が8割だとたたえ「僕は駒の一つだと実感しています。逆に今度は僕が彼らを駒で使ってやると思っています。いい関係だな」と笑った。  今年のコンペ部門には18作が出品され、金獅子賞には米国の「ノマドランド」が選ばれた。

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