マクラーレンが1-2独占。ルクレール最後尾確定でフェラーリ逆転タイトルに黄色信号……角田裕毅11番手|F1アブダビGP予選
ヤス・マリーナ・サーキットを舞台に開催されているF1最終戦アブダビGP。その予選セッションではマクラーレンのランド・ノリスがポールポジションを獲得した。RBの角田裕毅は11番手だった。 【リザルト】F1 2024 アブダビGP 予選 長かった2024年のF1もいよいよ最終戦。既にドライバーズチャンピオンはレッドブルのマックス・フェルスタッペンが獲得したが、コンストラクターズタイトルは未決着であり、首位マクラーレンに対して21ポイント差のフェラーリが逆転を狙うという状況だ。また、その他のドライバーズランキングやコンストラクターズランキングでも接近戦が続いている。 それら全てが決着する決勝に向けて重要な予選は、薄暮の現地18時からスタート。気温は26度、路面温度30度というコンディションだった。 ■メルセデス最終戦でハミルトンに不運|Q1 トップ15入りを決める18分間のQ1。ピットレーン出口のシグナルがグリーンになると、アストンマーティン勢からコースへ入った。ランス・ストロールが計測に向けて通常通りソフトタイヤを履いた一方で、フェルナンド・アロンソはハードタイヤを装着し、1周の“皮むき”を実施した。 アロンソとしては皮むきを行なったハードタイヤを2セット持って決勝に臨むことに。メルセデスのルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルもハードタイヤでの皮むきを実施した。 そんな3台を横目に、他ドライバーはQ1最初のタイム計測を実施。各車が1回目のアタックを終えた時点ではフェラーリのカルロス・サインツJr.がトップで、0.029秒差でフェルスタッペンが続いた。 レッドブルのセルジオ・ペレスは、一時1分23秒559というタイムがターン1でのトラックリミット違反により抹消となったものの、これが一転して有効と認められて3番手に復活した。 ストロールやウイリアムズ勢が早めの2セット目投入を行なってアタックを実施する中、他のドライバーも残り4分からコースイン。Q1最終アタックを行なった。 ここでザウバーのバルテリ・ボッタスが1分23秒481でトップに浮上。その後フェラーリのシャルル・ルクレールが1分23秒302をマークしてQ1トップ通過を果たしたものの、ボッタスは2番手でQ2に進んだ。Q1で1セットのみを使用したフェルスタッペンはサインツJr.を挟んで4番手だった。 一方で、隊列の後方でアタックしていたハミルトンはタイミング悪く、ハースのケビン・マグヌッセンが跳ね飛ばしたボラードをマシン下面に巻き込む形となり、思うようなタイムを出せず18番手でQ1敗退となった。その他、ウイリアムズ勢やザウバーの周冠宇、アルピーヌのジャック・ドゥーハンが姿を消した。 ■ルクレール泣きっ面に蜂|Q2 スタート時刻は少々遅れたものの、トップ10入りを決める15分間のQ2がスタートすると、フェルスタッペンを先頭に出走。まずは新品タイヤで1分22秒998のターゲットタイムをマークした。 これに対してノリスが0.1秒差、そのチームメイトであるオスカー・ピアストリが0.2秒差で肉薄。ただ、これはユーズドタイヤで出したタイムだ。4番手には新品タイヤでRBの角田裕毅が食い込んだ。 Q2最初のアタックを終えて各車は一度ガレージへ。突破に十分なタイムをマークしたと判断したフェルスタッペンはマシンを降りた一方、その他14台は残り4分というところからQ2最後のタイム計測を実施した。 多くのドライバーが新品タイヤで軒並みタイムを伸ばし、ルクレールが1分22秒980をマークしてQ3トップ通過を果たすかと思われたが、当該ラップのタイムがターン1でのトラックリミット違反によって抹消に。代わってサインツJr.がQ3トップ通過となった。 フェルスタッペンが2番手、ハースのニコ・ヒュルケンベルグが3番手、アルピーヌのピエール・ガスリーが4番手で通過した。 角田は1分23秒419と、10番手のペレスに対して0.040秒届かず惜しくも11番手で敗退。チームメイトのリアム・ローソンも角田から0.053秒遅れの12番手で、RBは2台ともがQ2落ちという結果になった。 ルクレールはセカンドベストのタイムで14番手。規定数以上のエナジーストア投入によって既に10グリッド降格ペナルティが科されることが決まっているため、決勝レースは最後尾からスタートすることになった。コンストラクターズタイトルを狙うフェラーリとしては窮地に立たされた。 この他、ストロールやハースのケビン・マグヌッセンがQ2敗退となった。 ■ノリスがポールポジション獲得|Q3 ポールポジションを決める12分間のQ3。ここに2台で生き残ったのはレッドブルとマクラーレンのみという結果も、予選での混戦ぶりを現している。 Q3序盤の計測ではフェルスタッペンが唯一新品タイヤを履いて1分22秒945をマーク。最後コーナーの縁石に乗ってしまいマシンの挙動を大きく乱すシーンもあったが、暫定トップタイムにつけた。ノリスがユーズドタイヤを履いて0.004秒差で続いた。 ピアストリもQ1のペレスと同様に、1分22秒949というタイムが一時的に抹消されたものの、有効と見なされ3番手に並んだ。 序盤はガレージにとどまっていたボッタスも含め、残り5分を切ると続々とコースイン。もちろん、各車ともタイヤは新品だ。 ヒュルケンベルグは1分22秒886でフェルスタッペンを0.059秒上回る驚きのタイムで首位に浮上。しかし続くピアストリが1分22秒804でトップを奪い取った。さらにノリスがピアストリの最速タイムを0.209秒削る1分22秒595を叩き出して、ポールポジションを獲得した。 マクラーレンが予選1-2で決勝のフロントロウを独占。フェラーリはサインツJr.が予選3番手につけたものの、ライバルに対して実質1台で立ち向かわなければならないこととなった。マクラーレンとしては、1998年以来のコンストラクターズタイトル獲得に向け視界は良好だ。 ”予選職人”ヒュルケンベルグは結果的に4番手。ハースとしても、アルピーヌやRBコンストラクターズランキング6位を争っており、大量得点獲得に向けて絶好のポジションを手にした。 フェルスタッペンは最終アタックでタイムが伸び悩み5番手。6番手ガスリー以下、ラッセル、アロンソ、ボッタス、ペレスというトップ10だった。
滑川 寛