AKB48の「空間除菌」ツイート、批判殺到で公式アカウントが削除。協賛記念商品も販売中止に。
AKB48の公式Twitterアカウントが、新型コロナ対策としてイベント会場で除菌液を噴霧する「空間除菌」をしているとアピールし、「今すぐやめていただきたい」「全くの無意味か、少し害があると考えられます」と批判が殺到している。公式アカウントは5月24日午後、投稿を削除した上で「皆様からいただきました様々なご意見を真摯に受け止め、空間除菌に関する投稿を削除させていただきました」とツイートした。消毒剤を空中に噴霧する「空間除菌」に明らかな効果はなく、人体に有害な可能性もある、というのが現段階での専門家の多数意見で、厚労省や世界保健機関(WHO)なども推奨していない。【BuzzFeed Japan / 千葉雄登】
空間除菌を動画でアピール→その後削除
AKB48のTwitterアカウントは5月23日、22~23日に開いたライブの会場で空間除菌をしたとして、動画とともに発信していた。 この動画には、会場入り口にある空間除菌のゲートを来場者が通過していく様子や、楽屋に置かれた小型の空間除菌の機械などが映されていた。 さらに投稿では、上記の空間除菌の機材を販売する企業の公式オンラインショップのURLも記載していた。
この投稿に感染症の専門家はじめ医療関係者から、「今すぐやめていただきたい」「全くの無意味か、少し害があると考えられます」といった批判が相次いだ。 こうした批判を受けて、公式アカウントは24日午後にこの投稿を削除し、次のようにコメントした。 「皆様からいただきました様々なご意見を真摯に受け止め、空間除菌に関する投稿を削除させていただきました。コロナ禍となりますが、これからも皆様に楽しんでいただけるエンターテインメントをお届けしてまいります」
厚労省「健康影響のおそれがあることから推奨されていません」
公的機関は、除菌剤を噴霧する「空間除菌」を推奨していない。 WHOは次のようにまとめている。 ・室内空間で日常的に物品等の表面に対する消毒剤の(空間)噴霧や燻蒸をすることは推奨されない。 ・路上や市場といった屋外においても新型コロナウイルスやその他の病原体を殺菌するために空間噴霧や燻蒸することは推奨しない。 ・屋外であっても、人の健康に有害となり得る。 ・消毒剤を(トンネル内、小部屋、個室などで)人体に対して空間噴霧することはいかなる状況であっても推奨されない。 アメリカの疾病予防管理センター(CDC)も医療施設における消毒や滅菌に関するガイドラインで「消毒剤の(空間)噴霧は、空気や環境表面(物の表面)の除染方法としては不十分であり、日常的な患者ケア区域における一般的な感染管理として推奨しない」と明示。 厚労省も「人がいる環境に、消毒や除菌効果を謳う商品を空間噴霧して使用することは、眼、皮膚への付着や吸入による健康影響のおそれがあることから推奨されていません」としている。