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中居チルドレン「キスマイ」版“世界にひとつだけの花”とは?

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FRIDAY

もし、「自宅にいる時間も長いし、このタイミングでジャニーズにハマってみたい!」と考えている人がいたとして、「どの辺から掘ってみたら入りやすいですか?」と筆者が質問されたら(実際にはまずされないが)、今、全力でお勧めしたいのが、Kis-My-Ft2(以下キスマイ)である。 【画像】人気芸人の誕生会に、”キスマイ”千賀らアイドルが集結 彼らは今ジャニーズの中で、ひいては日本のアイドル界において、とてもユニークな位置にいる。おそらくデビュー9年目にして、事務所トップの嵐でも、直属の先輩だったSMAPでも、同じレコード会社の先輩のV6でもない、キスマイ独自の未来を切り拓こうとしている。 ジャニー喜多川以上の“大恩人”である中居正広が事務所を去ったタイミングで、“革変”の瞬間を迎えているのだ。 ◆ライヴ映像が公開数日で100万回視聴 本来であれば彼らは今頃、4月9日の東京ドームを皮切りに、6月7日までの約2ヵ月間で、東名阪と福岡、そこに埼玉のメットライフドームも加えた5大ドームツアー「To-y2」の真っ最中のはずだった。それらは全て中止となってしまったが、5月17日の16時からYouTubeで、「WEB FES キスマイGo編」と称して、彼らの過去のライヴ映像から、キスマイ入門編的なライヴの定番曲、人気曲を集めた約25分の映像が公開された。 その映像は、公開から数日で100万回視聴を突破。24日の16時からも、「WEB FESオラオラ編」が公開されることになっている。メンバーも同じタイミングで視聴すると宣言しているから、キス担は、ウチワとペンライトを準備し、日曜の夕方は束の間のおうちフェス気分を楽しめるというわけだ。 ここ2ヵ月は、3月末の「Happy LIVE with YOU」を皮切りに、ジャニーズのライヴをYouTube上で楽しめる機会が増えている。嵐は、自分たちのチャンネルで、2012年の「嵐フェス」と2017~2018年のライヴツアー「untitled」の映像を、今年デビュー25周年を迎えるV6も、2017年の「The ONES」の本編映像とメイキング、2011年の「Sexy.Honey.Bunny!」ツアーの映像をそれぞれ期間限定で公開している。 誰かを自分と同じ沼に引き摺り込みたい時、自分が特に愛するツアーのDVD(またはブルーレイ)を貸し出すというのはジャニヲタならずともファンの“あるある”だが、YouTubeに映像が公開されて嬉しいのは、DVDを持っている生粋のファンよりも、むしろ海外のファンや、一度噂のライヴを見てみたかった人、堂々とジャニーズに興味があると言えなかったシャイな人、または昔好きだったけれど事情があってライヴに行かなくなっていた人たちのほうだろう。 でも、このキスマイの「WEB FES」は、新旧入り乱れた編集になっていて、しかも「キスマイGo」編は“入門編”との但し書きまである。わずか25分の映像だが、デビューライヴの羞恥衣装(玉森裕太のピンクの短パン衣裳に合わせた長い飾りのついたペラペラの王冠風被り物は、後に『イカ大王』と呼ばれた)あり、2018年に披露された名バラード「SNOW DOMEの約束」では、中居プロデュースのコミック(?)ユニット・舞祭組(BUSAIKU)による美しいハモリを響かせることに成功するなど、アイドルの成長を見守りたい、母性の強い“見届け愛”派の心を、存分にくすぐる内容になっている。 と同時に、一見さんを、「へー、キスマイのライヴって派手! みんな体張ってる」と感心させ、実際に見たいと思わせるようなユニークかつゴージャスな演出も満載だ。 ◆“努力型アイドル”中居正広からの絶え間ない助言 冒頭で、「キスマイは今、革命的変化の時期を迎えている」と書いたが、ジャニーズ広しと言えど、キスマイほど革変に次ぐ革変を遂げてきたアイドルグループも珍しい。2011年の2月にデビューが発表されたが、その翌月に東日本大震災が起こり、当初予定されていたデビューが8月まで延期となった。 ジャニーズのグループは、ジャニー喜多川に見出され、ジュニア時代に様々な経験を積んでからデビューすることが多いが(※入所して数ヵ月でデビューが決まるケースもたまにはある)、デビューしてからは、グループやライヴをプロデュースしていくのは、タレント自身だ。 キスマイの場合、デビュー以来彼らのマネジメントを担当していたのがSMAPのチーフマネージャーだったこともあり、バラエティでもドラマでも、“顔見せ”的にSMAPと組むことが非常に多かった。コンサートでがっつりバックについていたKinKi Kidsを除けば、SMAPはそれまで他グループとあまりつるまない、孤高のスタイルを保っていたが、キスマイの登場で、SMAPのメンバーは積極的に後輩の面倒を見るようになる。 とりわけ、中居プロデュースの横尾渉、宮田俊哉、二階堂高嗣、千賀健永の4人によるユニット・舞祭組は画期的だった。アイドルなのに”BUSAIKU”というキャッチーなギャップを武器に、いわゆる前の3人(北山宏光、藤ヶ谷太輔、玉森裕太)がいてくれたからデビューできた後列の自分たちを自虐する曲「棚からぼたもち」をリリース。 グレーのスーツ姿で必死に歌い踊るコンセプトも秀逸だった。以来、この4人は中居の司会する歌番組で楽器やハモリなど、音楽にまつわる様々なことに挑戦するようになる。近年のライヴでは、舞祭組のメンバーによるハモリなども聴けるようになっているが、歌番組で披露する師匠・横尾の音痴が、どこまで“本物”かも気になるところだ。 舞祭組を産んだバラエティ番組「キスマイBUSAIKU!?」(フジテレビ系 現在は「キスマイ超BUSAIKU!?」)に、「10万円でできるかな」(テレ朝系)、「プレバト‼︎」(TBS系)の俳句コーナーでの横尾や千賀の活躍など、キスマイは、今、バラエティで最も成功しているジャニーズと言っても過言ではない。 その活躍の陰には、おそらく、“努力型アイドルの天才”中居正広からの絶え間ない助言や叱咤や激励があったはずだ。中居が、SMAP解散騒動の中で、ジャニーズ事務所に残った理由の一つには、キスマイという後輩が、自分がいなくてもジャニーズの中できちんと存在感を発揮できるところまで育てたいという気持ちがあったのではないだろうか。というのも、2015年末から、舞祭組のアルバムを作る準備を進めていた中居だが、2016年のSMAP解散騒動で、その企画は宙に浮いたからだ。 2017年1月に、それまで楽曲を手掛けていた中居ではなく、メンバーの4人で、「道しるべ」という曲をリリースしたが、その内容は、中居への感謝を表すものだった。そしてこの年、キスマイは、デビューからずっと開催できていたドームでのコンサートがなく、その代わりに全国のアリーナを回った(この年から、バックにつくJr.は、それまでのSNOW MANからTravis Japanに変わった)。 一番の恩人である中居は残ったものの、2017年は彼らにとって、SMAP直系の後輩としてではなく、ジャニーズの中堅グループとしての立ち位置を模索する年だったのだろう。12月には、無事に舞祭組のアルバムはリリースされ、翌年には単独の全国ツアーも開催。約5万5千人(東京ドームが満員になる人数)を動員した。 ◆SMAPは“花”で、キスマイは“種” 先日彼らは、Smile Up Projectの一環で、キスマイが最新アルバム「To-y2」にシークレットトラックとして収録されている「種」という曲を披露した。「Happy LIVE with YOU」では「卒業式に参加できなかった方、新生活を始める方のために選曲した」と北山がコメントしているが、ちょうどこの曲が披露された翌日、中居がジャニーズ事務所を退社。アルバムの中のボーナストラックだったことも含め、たぶん、キスマイ7人の中では、中居に贈る歌という意味合いも強かったのではないかと筆者はみている。 「種」の歌詞は、自分が種として土の中で眠っている時に不安を感じている人、何が正解かが分からず迷っている人に語りかける。世の中には正解なんかないんだ、自分が選んだことを嘘にしなければいいだけ、と。そのメッセージは、SMAPの「世界に一つだけの花」にも重なる。 中居はきっと、どこかでこの曲を耳にしただろう。もしかしたら、「Happy LIVE with YOU」だって、リアルタイムで視聴していたかもしれない。それぞれの生き方を例えたのものが、SMAPは“花”で、キスマイは“種”。この曲はつまり、「中居さん、あなたが撒いてくれた種を、僕らなりに育てていきます」というキスマイにとっての決意表明なのではないか。 あらためて、「WEB FES」を見てみると、キスマイの7人は、9年前のデビュー時よりも、ルックスもスキルもチームワークも、格段に進化を遂げていることがわかる。King&Princeはもちろん、今年デビューしたSixTONESやSnow Man然り、次のデビュー組と目されるTravis Japanやなにわ男子然り、最近のアイドルは、ジュニア時代からルックスや才能が十分に花開いているタレントがほとんどだ。よっぽど若手に遡っても、この先どうなるかわからない硬くて黒い“種”のようなJr.には滅多にお目にかかれない。 でも、キスマイを見ていると、デビュー9年目にして、なおそれぞれが“種”の部分を残しているように見える。その「いつ、どう化けるかわからない」アイドルのあり方を、キスマイに最初に提示したのが中居だとしたらーー。中居チルドレンである7人は、この「種」という曲で、「これからもっと面白い芽を出し、ユニークな花を咲かせ、中居さんを驚かせます」と伝えたかったのではないだろうか。 Smile Up Projectで、アコーディオンバージョンの「種」を誠実なユニゾンで歌う彼らは、その場所で、彼らにしか咲かせられない、どこか不格好で繊細で瑞々しくて凛とした、愛くるしい花を咲かせている。 取材・文:喜久坂京 ジャニヲタ歴25年のライター。有名人のインタビュー記事を中心に執筆活動を行う。ジャニーズのライブが好きすぎて、最高で舞台やソロコンなども含め、年150公演に足を運んだことも。

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