中学生死亡“ひき逃げ無罪”に遺族「長い苦しみ」 判決見直しの可能性も…争点は「直ちに救護」
日テレNEWS NNN
9年前、男子中学生が車にはねられ死亡した事故をめぐり14日、最高裁は、ひき逃げの罪を無罪とした二審の判決を見直す可能性がある弁論を開きました。遺族は会見で「反省のない被告人に対しては実刑判決をお願いしたい」などと訴えました。
息子を事故で亡くした和田真理さん 「これまでの加害者の態度などからも、まったく反省している様子は感じません。間違った認識で約10年過ごしてきているので。本当にこの間苦しんできたのは、私たち遺族です」 息子を事故で亡くした和田善光さん 「一番やはり苦しかったのは、この裁判が実際に起訴されるかどうか。それを待っている時間が一番、苦しかった」 裁判後の会見で遺族が語ったのは、長い苦しみの日々でした。 和田真理さん 「できれば、反省のない被告に対し実刑判決をお願いしたい」 当時15歳の和田樹生さんは、スポーツが好きで空手やサッカーに打ち込みながら、世界で活躍することを夢見て勉強に励んでいたといいます。
和田真理さん 「(生まれた時)やっと会えたねっていう気持ちと、その時に主人が『自分たちの命に代えてもこの子を守っていこうね』って…自分の命よりも大切な存在」 事故が起きたのは、塾からの帰り道のことでした。2015年、長野県佐久市の交差点で、当時中学3年生だった和田樹生さんが車ではねられ亡くなりました。高校入学を目前に控えるなかで突如、奪われた未来。 和田善光さん 「本当に高校入学すごく楽しみにしていたので、本当に少ない時間でも、ほんのわずかな時間でもよかったので、高校生活を体験させてあげたかったという思いがすごくあります」
和田真理さん 「いつも、樹生が家族の中心でした。樹生がいなくなってしまった家族の中にぽっかりとあいてしまった穴が、何年たっても埋められないです」 この事故では、車を運転していた会社員の男性(52)が、すでに過失運転致死の罪で禁錮3年、執行猶予5年の有罪が確定しています。その後、新たに問われたのがひき逃げの罪です。 道路交通法では、万が一事故があった時には、直ちに負傷者を救護することが定められています。男性は事故後、人工呼吸などの救護を行っていました。 しかし、実は事故を起こしてから樹生さんを救護するまでの間に、コンビニに立ち寄っていたのです。その理由は、口臭防止用品を買うためでした。