移籍話まさかの破談「そんなの言った?」 “ちゃぶ台返し”で2年無所属…元J選手のアジア挑戦【インタビュー】
【海外組アウトサイダー】ヤングエレファンツFC(ラオス1部)所属・前田凌佑
欧州1部リーグを中心に数多くの日本人が活躍し、日本サッカーの進化を印象づけている昨今。かたや、海外のほかの地域にも目を向ければ、独自の道を切り拓く日本人プレーヤーの姿がある。FOOTBALL ZONEでは「海外組アウトサイダー」としてそんな選手にフォーカス。今回はラオス1部で新たな挑戦を始めたばかりのMF前田凌佑に新天地決定までの経緯を訊いた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・山内亮治/全2回の1回目) 【写真】現役日本代表が交際宣言した元トップアイドル 「色気がすごーい」最新ショット ◇ ◇ ◇ 2024年10月27日、MF前田凌佑が約2年ぶりに立った公式戦のピッチは国際試合だった。アジアサッカー連盟(AFC)が主催する第3層のクラブコンペティション「AFCチャレンジリーグ」でシャン・ユナイテッド(ミャンマー)と対戦(ホーム/0-2)。思うように身体が動かず、前半のうちに交代を告げられるほろ苦い新天地デビューだった。 それでも、「2年分の溜まっていたものを全部出そうという気持ちでした」と前田。東南アジアからの再出発にこみ上げてきたのは、不甲斐なさとは別の感情だ。「サッカーができる喜びを一番に感じています」。 とはいえ、なぜ競技人生に2年近くのブランクが空いたのか。日本で10年のプロキャリアを築いた。カテゴリーさえ選ばなければ国内のどこかから声はかかっていただろう。 ヴィッセル神戸ユース出身の前田は、2013年にトップチームに昇格。最初の2シーズンはリーグ戦出場がなくJリーグU-22選抜で試合経験を積んでいたが、15年に就任したネルシーニョ監督(現ポンチ・プレッタ=ブラジル2部)に抜擢されると頭角を現した。 2017年から2シーズン、大分トリニータへ期限付き移籍すると、19年からは1部へ返り咲いた同クラブに完全移籍で加わった。21年からJ3の愛媛FCに活躍の場を移すも、翌年11月10日に契約満了が発表されている。 と、ここで前田は国内の選択肢を排し、海外へ渡ることを決断。大分に完全移籍した頃から抱いていた“憧れ”をこう語る。 「オフに海外でプレーする選手から現地の話をよく聞く機会があり、大きな影響を受けたんです。当時20代半ばでしたし、残りのキャリアを考えるとチャンスがあれば挑戦したいと思っていました」 目指した先は東南アジア。神戸で同期入団だったMF和田倫季(タンジョン・パガー・ユナイテッドFC=シンガポール)ら現地でのプレー経験がある選手たちと連絡を取る度に、生活面も含め興味は増すばかりだった。