トランポリン森ひかる『衝撃告白』 東京五輪後に金沢の回転ずし店で『人生初』バイト、そのまま引退も考えた
◇高梨沙羅に心動かされ…プロ選手として再出発 トランポリンで2019年世界選手権で金メダルを獲得した森ひかる(22)が9日、東京都内で記者会見に臨んだ。4月1日付けで「TOKIOインカラミ」に所属し、女子トランポリン界では異例のプロ選手として再スタートを切ることを発表した。予選落ちした東京五輪後には引退も考えたという森は、この3月に金沢学院大を卒業して拠点を東京に移し、2年後のパリ五輪での金メダル獲得に挑む。 森は笑顔で決意を語った。「東京五輪ではダメだったけれど、こうしてトランポリンを続けて、復活して立ち上がっていく姿を見て、少しでも(人の)心を動かしていけたらいいなと思う」 昨年の東京五輪は優勝候補と目されたが予選落ち。「思ったいた以上に落ち込んでしまい、心にとても大きな傷をつくってしまった」と以降は完全に競技から離れた。「就職するかもしれないから、バイトをするのは最後のチャンスと思って、受かるまで応募しようと」と人生初のアルバイトにも挑戦。金沢市内の回転ずし店で接客を行い、レジ打ちや皿を数える仕事も覚えたという。 そのまま引退することも考えたが、スキージャンプ女子の高梨沙羅(クラレ)に心を動かされた。今冬の北京五輪団体混合でスーツの規定違反により失格後、引退を示唆しながらも復活。「五輪で失敗した気持ちは分かる。でもそういう姿を見てもパワーをもらえる。私の姿を見てパワーをもらった人もいるのかなと思った」。 自分も誰かの心を動かす存在になりたい―。競技への思いが再燃し、2月から所属先を探して今回の契約にこぎつけた。TOKIOインカラミは化粧品などの製造販売する「イフイング」が運営するブランドで、スノボード男子の平野歩夢も所属する。「パリ五輪は金メダルを取ります」と宣言した森。再挑戦の日々が始まった。
中日スポーツ