県立高校、先輩たちの快挙に沸く…パリに吹いた「南」旋風 東京・浜田尚里「金」に続き、今度も「銀」「銅」奪取 鹿児島南高には歴代オリンピアンの名を刻む「五輪碑」がある
鹿児島市の鹿児島南高校の卒業生が3日、パリ五輪で旋風を吹かせた。柔道混合団体の高山莉加(29)、フェンシング女子サーブル団体の尾崎世梨(21)はメダル獲得に貢献。水球男子の荻原大地(21)は初得点を挙げた。「学校の誇り」「努力すれば世界で活躍できる」-。後輩は、先輩の活躍に刺激を受けた。 【写真】〈関連〉鹿児島南高校内にある「五輪碑」には2022年3月の除幕式時に出身オリンピアン8人の名が刻まれた=鹿児島市谷山中央8丁目
女子78キロ級の高山は、けがの選手に代わって最重量級として出場。決勝では1階級上の銅メダリストに勝利した。叫び声を上げて喜んだという柔道部2年の石原南音(はいね)さんは「大きい選手に向かっていく姿がかっこよかった。学校の誇り。自分も見る人を感動させられる選手になりたい」。 尾崎は3位決定戦で攻め続け、サーブル種目で日本に初のメダルをもたらした。試合後に電話した大坪昭仁監督(42)は「『最初から思いっきりやると決めていた』と話していた。強豪に屈せず、世界的な選手になった」とたたえた。 「努力すれば可能性はあると勇気をもらえた」と話すのは、春に世界大会に出場したフェンシング部3年上出桐さん。「誰よりも練習していたという先輩を見習いたい」と力を込めた。 荻原と尾崎は同クラスで、高山も含め体育科。水球部元主将の田村瑞希さん(23)によると、有望選手が集まることで互いの刺激になっている。学校に指導に来る卒業生も多いという。
田村さんは、1学年後輩の荻原について「得点能力がずばぬけていた」と振り返る。「次の五輪では中心選手としてメダルを目指してほしい。そこに南高卒の選手が新たに加わればうれしい」と期待していた。 ◇五輪碑お目見え、オリンピアン8人の名刻む(2022年3月6日付紙面から) 鹿児島市谷山中央8丁目の鹿児島南高校で、正門横に2021年東京五輪金メダリスト浜田尚里さん(31)=柔道女子=をはじめ、同校出身オリンピアン8人の名を刻んだ「五輪碑」がお目見えした。石板には余白もあり「在校生や後輩たちの中から、刻銘される選手が誕生してほしい」との願いも込めた。 東京五輪では、柔道女子78キロ級と柔道団体で浜田さんが金銀のメダルを獲得、水球男子でも福島丈貴さん(28)が活躍した。偉業をたたえ後輩に見習ってもらおうと、同窓会が記念碑建立を学校に提案し、出身者や賛同者から寄付を募り実現した。
南日本新聞 | 鹿児島
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