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水木しげるさんの妖怪大全「アマエビ」誤記の謎、水木プロに聞いた 「妖怪ファンでは有名」なエピソード

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 コロナ禍の中、人気の妖怪「アマビエ」。病よけのマスコットのような存在で、特に漫画家・水木しげるさんの描いた長い髪とくちばし、半人半魚の姿の絵で有名です。しかし、筆者はこの妖怪の存在を知っていたものの、30年近く「アマエビ」と記憶していました。すしネタと勘違いしていると言われそうですが、これには理由があるのです。(朝日新聞記者・鶴田智) 【画像】誤記は「アマビエ」だけじゃなかった…「妖怪ファンでは有名」という「キムジナー問題」

見出しも本文も「アマエビ」 誤記の謎

 筆者の記憶の理由はある本です。1991年出版の「日本妖怪大全」(水木しげる、講談社)。神は細部に宿る。緻密さが抜群の水木さんの絵にひかれた水木ファンの筆者が、出版の年に買った一冊です。様々な妖怪の絵と解説が記されています。  そこに記された名前が「アマエビ」でした。  今も本棚にあるその本を開いてみると、アマビエの項目は、見出しも本文もアマエビ。江戸時代の弘化3(1846)年、肥後国(熊本県)の海中に出現した話が、絵とともに掲載されています。目次もアマエビです。  アマビエは「6年の間豊作。病気がはやったら私の写しを人々に見せよ」などと語ったと伝えられ、病よけに力があるのではとコロナ禍で話題になりました。  ネットでも目にするようになりましたが……アマビエ? そうだったの? 名前はアマエビじゃなかったのか。筆者は91年以来、約30年の時を経て、アマビエだったのかと改めて認識したのでした。

水木プロ「本人の意図ではなく」

 ではどういう事情で表記がアマエビに? 水木プロダクション代表で水木さんの長女・原口尚子さん(57)に話を聞きました。原口さんによると、「日本妖怪大全」編集の段階で、水木さんの「意図ではなく」、何かの理由で誤記、誤植があったようです。  アマビエは、他に84年出版「水木しげるの続妖怪事典」などに掲載されていますが、アマエビと出ているのは、この91年の「妖怪大全」だけだといいます。原口さんは「ファンの間では有名な話」と話していました。  もっとも、誰かを傷つけるような問題があるわけでもないし、何か気持ちが和らぐ気もします。改めて見て、「レア物」の貴重な本かも、とさえ筆者は思いました。  「アマエビの方が聞き慣れているというか、(絵も)何か海の生物っぽいですよね。エビって言われたら、そうかなって」と原口さん。  最近のネットでも、読み違えたのか、呼び方をアマエビと勘違いしたという声が散見されます。

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