au TOMS坪井&山下組が予選でGT500タイトル確定。アタックで“置きに行く”も持ち前の総合力でポール勝ち取る「合算方式に助けられた」
鈴鹿サーキットで行なわれているスーパーGT最終戦では、決勝レースを待たずしてGT500のタイトルが決定した。予選でポールポジションを獲得して王座を確定させた36号車au TOM'S GR Supraの坪井翔、山下健太組が記者会見で喜びを語った。 【ギャラリー】スーパーGTを彩った“カルソニックブルー”のマシンたち 開幕戦の優勝を皮切りに全レース7位以上という抜群の安定感でシリーズをリードしてきた36号車au TOM'Sは、先月の第8戦で2勝目を挙げてタイトル争いのリードを大きく広げた。そのため、ノーウエイトで行なわれる最終戦の予選の結果次第で王座を決められる状況にあったが、36号車は見事ポールポジションを獲得して3点を追加。ランキング2番手以下とのギャップが21点に広がったため、この時点で36号車のふたりが2024年のシリーズチャンピオンとなった。坪井にとっては2年連続3度目、山下にとっては5年ぶり2度目のGT500王座となった。 36号車au TOM'SはQ1で山下が3番手、Q2で坪井が3番手という結果だったが、予選は両セッションの合算タイムで順位が決まるため、ポールポジションは36号車の手に。チームの総合力が求められると言える今季の予選方式において、au TOM'Sはまさに武器とする総合力で王座を手繰り寄せた格好だ。 会見の中で坪井と山下は、予選でタイトルを決めることを意識していたものの、アタックではやや慎重なアプローチをとっていたことを明かした。 「ポールを獲れて本当に嬉しいですし、ホッとしています」と語るのは山下。「チャンピオンのかかった予選ということもあり、120%のアタックというよりも、4輪脱輪などに気を遣いながら走りました。思い当たるミスもふたつくらいあるので微妙なアタックではありましたが、トップと100分の6秒差くらいで3番手だったので、最低限のことはできたかなと思います」と振り返った。 一方、「見ている方にとっては若干空気読めない結果になってしまいましたが」と苦笑する坪井はこう語った。 「僕もかなり置きにいった予選になってしまいました。攻めようとは思っていましたが、いつものように気持ちよくアタックはできませんでした」 「Q1、Q2と3番手でポールということで、合算のありがたさを改めて感じました。各々思うところはあったと思いますが、チャンピオンを獲る上ではそういったことが大事になりますし、しっかりリスクマネジメントできたかなと思います」 またタイトル獲得に際しての気持ちを聞かれた山下は、チームと坪井の2連覇を邪魔するわけにはいかないというプレッシャーが強く、予選では非常に緊張していたと明かす。そして「安パイでちょっとミス、みたいな微妙な予選にはなったんですけど、 36号車のチームも良いクルマを作ってくれましたし、みんなには感謝です」とチームに感謝を述べた。 一方の坪井も、GT500連覇やスーパーフォーミュラとの2冠がかかっていたこともあり、プレッシャーが強かったという。そのため、「明日はプレッシャーから解放されるレースができる」と安堵していた。
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