【2021-22年秋冬パリコレ】ルイ・ヴィトンはルーブル美術館で発表!パリから最新コレクションをお届け
時代のムードを映しだしていると同時に、ファッションの夢を見せてくれることにかけて、決して私たちを失望させない地であるパリ。この混乱の時期にあってもデザイナーたちは前へ進み、オンラインをメインステージにして、パリが「ファッションの都」たる所以を証明している。 【写真】2021-22年秋冬ミラノファッションウィークのベストルックを拝見 パリの象徴的ランドマークであるルーブル美術館でショーを行ったルイ・ヴィトンをはじめ、2021-22年秋冬シーズンの最新ルックをご紹介。
ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)
「わが家にまさる所はない」。 新型コロナウイルスのパンデミックによってルーブル美術館が一時閉館されて1年、世界一の来館者を誇る美術館であり、ルイ・ヴィトンのショー会場としてもお馴染みのルーブル美術館の、誰もいないミケランジェロ・ギャラリーとギャラリー・ダリュで、ニコラ・ジェスキエールは2021年秋冬コレクションを発表した。 レディスのアーティスティック・ディレクターの彼にとっては、旅した気分を創り出すために実際に旅に出る必要などなかった。必要なすべてのインスピレーションを、古代ギリシャ、エトルリア、ローマ時代の傑作に見出したのだ。 ジェスキエールは、建物や南京錠、鍵、古代の彫像などのシュールな描画を家具やオブジェに施したことで有名な20世紀のデザイナー、ピエロ・フォルナセッティが創業したミラノのアトリエ、フォルナセッティとの実りあるパートナーシップに乗り出した。 フォルナセティの豊かなアーカイブから見つけたモチーフを、熱感知カメラで画像にしてベルベットドレスやシャイニーなジャージーのトップス、フリースのフード付きジャケット、テーラリングしたピースにリミックスし、過去と現在の豊かなパリンプセストを創り上げている。 「フォルナセッティのアーカイブを探求するのは、考古学発掘作業で過去の描画を見つけ、新たな命を与えるような興奮があった」と彼はショーノートに書いていた。
トム ブラウン(Thom Browne)
コレクションに付随されるファッションフィルムには、表面的で、服を見るという目的の役には立たない不必要なプロジェクトのように感じられるものがある。 しかし、リンゼイ・ボンが出演し、明らかに『ドロシーとオズの魔法使い』をインスピ源にした、モノクロの40年代の旅を描くトム・ブラウンの最新映像は、そうではなかった。 最初から、スローモーションによって視聴者は服が揺れ動くのが見える。それからきっちりパンしてクローズアップショットになると、フロントローよりフロントでも見えないようなディテールがわかる。 コレクションはどれもセミフォーマルで、フォーマルが基本にあるようにボウタイをした白いシャツが急に出てきたりする。コルセットやボーニング(ロングで固い構造)、ブークレを、高機能布素材のドレスと組み合わせるというファッションとスポーツの出合いは、まるで自由になる途中であるかのようで、非常にトム・ブラウンらしく見せている。 映像の副題にあるように、すべて私たちを愛する人とドレスアップして出かける夢のような状況に連れて行ってくれる準備はできている。 フォーマルであることは否定できないが、私たちの背後パッファーのマキシの跡が残るという考え方は癒しにもなり、この状況を乗り越えて再び人と交流できる世の中に足を踏みいれたら、家での快適な生活に戻るのは快適になることを思い出させてくれる。