【アメフト】新型コロナ感染拡大の影響(3) 米カレッジ、BIG10とPAC12が来春に延期を決定
新型コロナウィルスの感染拡大により北米のアメリカンフットボールが動揺している。NCAA(全米体育協会)のカレッジフットボールで、有力カンファレンスのBIG10とPAC12が現地8月11日午後、相次いで今秋のシーズンを全面的に来春に延期することを発表した。【小座野容斉】 新型コロナ感染拡大の影響(2) 米カレッジフットボール 来春に延期説が急浮上
潜在的な医療上のリスク、あまりに高い
カレッジフットボールの秋季シーズンを来年春に延期する案が、この数日急速に浮上してきたのは、昨日レポートした通りだが、早くもそれが具体化した形だ。 BIG10は8月11日、所属14大学の学長・総長会議を開き、すべてのスポーツの春シーズンへの延期を決定した。 ケビン・ウォーレンBIG10コミッショナーは、「学生アスリートの精神的、肉体的な健康と福祉が、あらゆる決定の中心にあった。BIG10の新興感染症タスクフォースやスポーツ医学委員会と何時間も議論した結果、この秋に学生アスリートに競技をさせるには、潜在的な医療上のリスクに対する不確実性があまりにも高いことが明らかになった」と述べた。 ほぼ間を置かず、PAC12が今秋に予定されているすべてのスポーツを、2021年1月1日以降に延期することを発表した。PAC12はCEO(最高経営責任者)会議を開いて、全会一致で決定した。 ラリー・スコットPAC12コミッショナーは「プロスポーツとは異なり、大学スポーツは(完全隔離された)『バブル』の中で運営することはできない。我々のスポーツプログラム※は、多くの場合、広範な大学キャンパスの一部で、そのキャンパスはCOVID-19が激しく蔓延している地域社会の中に存在しているのだ」と述べた。 ※米カレッジスポーツでは、チームだけでなく練習施設や関係組織などを包括的に「プログラム」と呼称する。 また学生アスリートのスポーツ奨学金がすべて保証されることを明らかにした上で、カンファレンスとして、NCAAに追加の1年の資格を与えるよう強く求めた。 PAC12の有力校、オレゴン大学のマイケル・H・シル学長は「最終的には、科学と学生アスリートの健康と福祉への深いコミットメントが我々の決断の指針となった。我々は、PAC12が新年に競技に復帰できることを願っている」と述べ、状況次第では、来年早々にシーズンを開幕すると示唆した。