日立、空調事業再編 家庭用はボッシュに売却
日立グローバルライフソリューションズ(GLS)が、2015年にジョンソン・コントロールズ・インターナショナルと共同出資で設立したジョンソンコントロールズ日立空調の株式を独ロバートボッシュに譲渡することを決めた。空調事業の合弁会社の資本再編を行い、グローバル市場での競争力を強化する狙いだ。国内外ともに日立ブランドは継続する。 【関連写真】生産の国内回帰を進めていた栃木事業所の外観 株式譲渡契約は23日に結んだ。今回の契約で日立と日立GLS、ジョンソン・コントロールズは、ジョンソンコントロールズ日立空調の全株式をボッシュに売却する。日立GLSが40%保有しているジョンソンコントロールズ日立空調株式全てを14億ドル(約1950億円)でボッシュに譲渡する。 同時にボッシュが株主となる新会社は日立GLSとブランドライセンス契約を結び、これまで通り日立ブランドの空調機器を展開する。日本国内向けの家庭用ルームエアコンも引き続き新会社が日立ブランドで提供する。 業務用空調機器の開発・製造拠点である清水事業所(静岡市清水区)は日立GLSが取得。日本国内の業務用空調事業の開発、製造から販売、保守サービスまで一体化し競争力を高めていくとともに、日立グループのITとOT(制御運用技術)と製品を組み合わせた冷熱ソリューションを一貫提供できる体制を整えていく。今後は需要が拡大するデータセンターやグリーンビルなどの領域も強化し、ボッシュとの連携も進める。 日立GLSの大隅英貴社長は「新会社を通じて日立ブランドの空調機器のグローバル展開を強化するとともに、日本国内はさらなる付加価値の創造を推進する」とコメント。 26年3月期第1四半期までに取り引きを実施。全株式売却が行われた場合、日立は26年3月期連結決算のその他の収益として約1250億円を計上する予定だ。
電波新聞社 報道本部