中3対象に一斉休校、安堵と不安…受験控え「感染したら水の泡」「学校での方が集中」 石川県
●小松10校、私立高入試まで 新型コロナの感染防止対策として、小松市と野々市市は26日、私立高受験を控えた中学3年生を対象に一斉休校に踏み切った。野々市市は27日からオンライン授業に切り替える。石川県内のほかの市町もオンライン授業にしたり、休んでも欠席扱いせずオンラインで授業に参加できるようにしたりする。生徒や保護者の間では「感染したら水の泡」「集中できるから学校の方がいい」など不安と安堵(あんど)の声が入り交じった。 次男が中学3年生の野々市市の女性(49)は「これだけ感染が広がって、対応が遅いくらい。自主的に休ませようか迷っていた」と胸をなで下ろした。 26日、小松市と野々市市の中学3年生の教室には生徒の姿がなく、教諭がパソコンの画面越しに生徒の体調を確認したり、質問を受けたりした。 ●野々市市などオンライン 休校の期間は私立高の入試が行われる2月1日まで。小松市では、個別に質問を受け付けて受験指導を行う。野々市市ではオンライン授業を実施する。 金沢市では、中学3年生が感染の不安を理由に学校を休んでも欠席扱いとせず、タブレット端末で自宅から視聴できるようにしている。加賀市も26日から同様の対応を始めた。 金沢市内のある中学校では26日、中学3年生の3分の1ほどが学校を休み、オンラインで授業を受けた。自主的に休み、塾に通っているという女子(15)は「感染したら努力が無駄になるので、休んでもいいのはうれしい」と語った。 一方、ほかの生徒からは、「休むとコロナに感染したと思われるかもしれない」「家ではしっかりと勉強に集中できるか心配」といった不安も聞かれた。 対応に追われる学校側からは教員らの負担増を訴える声が上がった。金沢市内のある校長はオンライン授業の希望者が日に日に増えているとし、「学校側は前日に欠席するかどうかの連絡を受けなければならず、午後9時まで教員が残った日もある。いっそ全てオンラインにしてほしい」とこぼした。 ●能美、川北も遠隔授業開始へ 白山市は24日に授業をオンラインに切り替えた。能美市と川北町は27日から1月末までオンライン授業を行う。羽咋中では26日、全学年がタブレット端末を利用しオンライン授業に臨んだ。27、28日は3年生のみオンラインで授業する。 かほく市と津幡町、能登町では感染拡大に備え、オンライン授業を行う準備を進めている。 ■各市町の中学3年の対応 ◇一斉休校 小松◇オンライン授業 白山、能美、川北、野々市、羽咋(羽咋中のみ)◇オンライン併用 金沢、加賀◇対応なし ほか11市町