「子どもを公園から引きずり出せ」高齢者の謎クレームに戦慄
コロナ禍で制限の多い生活を強いられる人々のストレスは計り知れない。コンビニや飲食店、ドラッグストア、公共交通機関などで、スタッフに対してクレームをつける人の姿を見かけたこともあるはずだ。若者よりも「高齢者」が重症化しやすいと言われている新型肺炎だが、敏感になりすぎるあまり、その要求が暴走することも……。
コロナ禍で「“私好み”のワンピースを作るのが当然でしょ」の謎クレーム
デパートの婦人服売り場で働く加藤理央さん(30代・仮名)は男性客(70代)からこんなクレームを受けた。 「ショップで、咳をしているスタッフがいないにも関わらず、『スタッフは咳をしているけど大丈夫なのか』とクレームを言ってきた人がいました」 その客は3日連続で同様のクレームを言ってきたそうだ。しかしその間に働いていたスタッフは全員風邪なども引いておらず、体調面での問題はなかった。 「別の人ですが、『客のマスクの付け方がなっていない!』など、店内にいらっしゃるお客様に対するクレームを受けることもありました。本当に困ってしまいます」
返答に困る問い合わせ
また、季節は冬になり、別の客にこんなイチャモンをつけられたことも。 「あるお客様からの問い合わせで、『洗濯の出来る高級ウールで、保温性が高くて、値段がそんなに高くない日本製の私好みのデザインのワンピースをなぜ作っていないのか? コロナ禍でそういうのを作るのが当然でしょ』と言われました。なんともお応えしようがないです……」 加藤さんは、「自由に動けなくてイライラしていて、特に衛生面では敏感になっている人が多いのかな」と疲れをにじませていた。
公園で子ども相手に怒鳴り散らす高齢男性
一方、公園管理の仕事をする森田純也さん(20代・仮名)。近所のお年寄りから小さな子どもをつれた家族まで、幅広い世代が集まる公園に勤務をしているが、こんなクレームを受けたという。 「ある日、高齢男性から公園事務所に通報があったんです。『緊急事態宣言発令中にも関わらず子どもがたむろしてウイルスを撒いているから、すぐに公園の敷地内から引きずり出せ』という内容でした」 公園の取り決めとして、通報があった場合は内容にかかわらず、現場の確認に行くことになっている。森田さんは急いで向かった。言われた広場に到着すると、すでに通報した男性はいなくなっていたが、小学校3、4年生ぐらいの子どもたちが公園から出て行こうとしていたところだったという。 「私は帰ろうとする子どもたちを引き止めて、事情を聞いたのですが、『遊んでいたらすごい形相のお年寄りが怒鳴りつけてきた。それで怖くなって帰る』と話していました。屋内ならまだ分かりますが、正直驚きました」