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親の終の棲家をどう選ぶ?|「養護老人ホーム」とはどんなもの?入所者はどんな生活を送っている? 老人ホームの施設長はシスター

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サライ.jp

■ミサに参加して、神父様の話を楽しみに聞いている方も

そんな状況下で、修道会が運営する施設と、そうでない施設とで違いはあるのだろうか。 「そうですね、個人的にはうちの職員さんは優しいなと思っています。地域性もあり、職員の約半数はカトリック信者の方なので、多少影響はあるのではないでしょうか。この5月はカトリック的には『聖母月』といって、マリア様への信心を深める月です。仏教の方もマリア様には親しみを感じるようで、聖母祭といった行事にも喜んで参加してくださいます。聖母祭には、玄関ホールが色とりどりの花で飾られます。 カトリック信者の入所者と、そうでない方の関係ですが、みなさん仲良く生活していらっしゃいます。そもそもカトリック嫌いの方だったら、うちのホームに入ろうとは思われないでしょうね。毎週のミサに参加して、神父様の話を楽しみに聞いている方もいます。 入所者のエピソードをひとつ。うちの事務所には入所者の方も結構自由に入ってこられるのですが、あるおばあちゃんは夕方になると、はにかみながら『あの……突然ですが、今夜は泊めてもらえんですか?』と言ってこられます。それで私や事務員さんは『ああ、よかですよ。どうぞー』と言ってお部屋に帰っていただきます。こういうやり取りは心がほっこりします。認知症の症状にもいろいろあり、神経がすり減るようなケースもありますけれど。 現在の入所者の最古参といってもよいTさん。とてもお元気なうちから入所され、手芸が上手で、ホームで習い覚えたパッチワークであっという間にバッグをつくり、それをほかの方たちにあげて喜ばれるのを楽しみにされていましたが、高齢になり最近は体調を崩して車いすの生活になりました。それとともに少し認知症の症状もあらわれ、先日も『あたしゃ、なーして、こげんところに入っとっとじゃろか?』とおっしゃっていました。また『こぎゃん、ばきゃん(バカの)世話ばせんばって、あーたたちも苦労たいね』とも。お元気なころを知っている身としては、切なくなります」 取材・文/坂口鈴香 終の棲家や高齢の親と家族の関係などに関する記事を中心に執筆する“終活ライター”。訪問した施設は100か所以上。20年ほど前に親を呼び寄せ、母を見送った経験から、人生の終末期や家族の思いなどについて探求している。

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