残された校舎の壁が伝えるもの 大阪・北野高校の機銃掃射痕
へこんだ鉄カブト
殉難乃碑には、この生徒2人の母親や姉が、同校教諭に贈った手紙の一文などが刻まれており、家族を失った途方もない悲しみが綴られた文章を読むと胸が痛む。
同校の同窓会館には、先の生徒がかぶっていた鉄カブトが展示されている。2005年6月15日に、遺族が60周年の命日に同窓会へ寄贈したという。焼夷弾が直撃したという鉄カブトは無残にも大きくへこんでおり、惨さを物語っている。 同校では、ほかの空襲を受けた際も合わせ、計9人もの尊い命が戦争によって奪われている。校舎の壁や殉難乃碑は、そうした悲しい出来事があったことを伝え、これからも同校の生徒を見守っていくことだろう。